実はヘビースモーカー、20年前からインシュリン注射

[実はヘビースモーカー、20年前からインシュリン注射…
             「西城秀樹さん」が抱えていた不摂生のリスク]


(デイリー新潮  2018年6月1日)


痩身のスポーツマン、激しいアクション。
健康的なイメージと裏腹に西城秀樹の後半生は病との格闘だった。
いったい、なぜ?

実は若いころに重ねた不摂生が、その体に大きく影を落としていた。

秀樹は2003年6月と2011年末の2度、脳梗塞を発症している。

1976年から23年間、マネージャーを務めた天下井隆二氏は、「秀樹さんは
健康的イメージで売っていたこともあって体を鍛えていて、空き時間があれば
ジムに通い、毎週、ニューオータニのサウナにも通っていました。その一方で
お酒は飲み、タバコもセブンスターを1日3、4箱吸っていました」と
打ち明け、続ける。

「タバコについては、ある年の正月に何人かで“今年は禁煙しよう”と
決めたんですが、春にロケ先の香港から“ダメだ、イライラして
吸っちゃった”と電話がありました。禁煙を1年続けた僕は、秀樹さんから
700万円するダイヤの時計を贈られましたよ。自分ができないことへの
リスペクトがあったのでしょう。お酒に関しては、紅白歌合戦の打ち合わせに
珍しく遅刻して、“原田芳雄さん、松田優作、桃井かおりと朝まで
飲んじゃって”と言ってたことがありました」



<糖尿病も患っていた>
結果として、早くから病気と無縁ではなかった。

「1984年、髄液が漏れて脳圧が下がる低髄液圧症候群という病気で1カ月
ほど入院し、一時は面会謝絶になるほどでした。それに、実は秀樹さんは
糖尿病でした。1996年か1997年、秀樹さんと僕とで健康診断を受けたら
2人とも血糖値が高く、僕は糖尿病と診断されて薬を処方され、秀樹さんは
インシュリンで治療することに。コンサートなどで激しく動き、その後
打上げなどで爆食いすると、血糖値の上がり下がりの幅が大きくなり
すぎるんだそうです」



<「ヤングマン」誕生秘話>
健康以外の秘話も交えてもらうと、「1979年の正月コンサートで
『Y.M.C.A』を歌うと反響が大きく、急遽2月下旬のレコード発売が決まり
ましたが、スケジュールに無理があるという。秀樹さんと一緒に製造工場を
訪れると、“従業員が残業になるので厳しい”と工場長。そこで秀樹さんは、
従業員に集まってもらってビールケース上で歌い、“こんな素敵な曲が
出ます。残業をお願いできますか”と。みなさん、“いいですよ”と答えて
くれたんです」

「ヤングマン」誕生秘話だが、日ごろも気さくで、「スナックで“『ヤング
マン』歌ってくれよ”と頼まれると、僕が断っても、“いいから、歌うよ”と。
ただ自分の曲を歌うと仕事になってしまうので、細川たかしさんの『北酒場』
とかを歌っていました」

ところで、天下井氏は秀樹と喧嘩したことが3回だけあるという。
「超多忙の秀樹さんが“飯ぐらい食わせろ”と言うので、“俺も食ってません”と
返したのが2回。残り1回は、秀樹さんが付き合っていた女性芸能人が
“性悪女だ”と噂を聞いて、“あんな女と付き合うのはやめろ”と言うと、
“好きになるのは勝手だろ”と返すので、“あんたの後ろにどれだけファンが
いると思っているんだ”と怒ったんです。結局、その方とは別れてしまい
ましたね」

ほかに女性関係はどうだったのだろうか。
「アイドル時代は女性と遊ぶ暇もなく、そもそも女遊びは激しくない。
一度好きになると、浮気もしなかったですね。低髄液圧症候群で入院した
ときは、松田聖子が密かにお見舞いに来てくれましたが、“(郷)ひろみは
いいなあ。いつもこんなかわいい子がそばにいてくれて”なんて笑っていた」
と天下井氏。


テリー伊藤氏も逸話を披露する。
「秀樹さんから“実は、山口百恵ちゃんは僕のことが好きで、ラブレター
もらったことがあるんです”って聞いたんですよ。駆け出しのころの
百恵ちゃんで、でも付き合わなかったんだって。“同じ業界内で付き合うのは
カッコ悪いと思ったんですよ”と」



<過酷なダイエット>
名立たるアイドルには見向きもせず、1989年から浮名を流した相手は12歳
年上の十朱幸代だった。

「“演技のこととか、仕事についてアドバイスをもらっている”“年上の彼女
には自分をさらけ出せる。そういうキャパシティがあるから好きなんだ”と
話していましたね」(天下井氏)

だが、やがて破局。


痩身のスポーツマンも、40代半ばまで独り身でいたばかりに病を呼び寄せて
しまったのか。

秀樹の知人が言う。
「結婚して子どもも生まれ、張り切りすぎた。それまでも181センチ、70キロ
強を維持していましたが、よい仕事につなげるためにもさらなる減量を
めざし、3時間汗を流して最後はサウナに入る。しかもその間、水はあまり
飲まない、という過酷なダイエットに臨み、数キロ減量したんです」

それがたたったのか、直後、最初の脳梗塞に。

くどうちあき脳神経外科クリニックの工藤千秋院長が言う。
「タバコや過度の飲酒は動脈硬化を促進する要因になります。タバコは血中
酸素を減らし、煙にふくまれる過酸化水素は血管の内皮を傷つけます。すると
傷ついた部分にコレステロールや血小板が詰まってかさぶたができ、それが
厚くなると血管が詰まって梗塞になるのです。水分をあまり摂取しない
ダイエットは最悪。激しい運動で汗をかいたあとに水分をとらなければ、
血液はドロドロになっていたことでしょう」

秀樹が患ったのは「ラクナ梗塞」だという。

「脳内の太い血管ではなく、毛細血管が詰まってしまうもので、高血圧、
高コレステロール、糖尿病などの持病がある人によく見られるものです」
(同)



<コンサート後の暴飲暴食>
すると気になるのが、秀樹がインシュリンを投与されていた、という証言で
ある。

東京慈恵会医科大学客員教授の阪本要一氏は、「病院で血糖値が高いと診断
され、インシュリンを投与されていたなら、西城さんが糖尿病と診断されて
いたのは間違いないと思う」と見立てて、続ける。

「糖尿病の状態が続くと、血管の内皮細胞が異常をきたして動脈硬化が進み、
脳の血管が詰まって脳梗塞などを引き起こす危険性がより高まります。また、
糖尿病につながるような不規則な食生活、それに喫煙は、高コレステロールや
高血圧などにも影響し、合わせて動脈硬化が進んでしまうこともあります」

では、どんな生活が糖尿病につながるのか。
「食事のリズムが不規則で、一度にたくさん食べがちだとか、夜遅くに食べて
すぐに寝てしまう、お酒を週5日以上飲む、歩くのは1日2000歩以下、と
いったことが挙げられます。西城さんはコンサートなどで激しく動いたあと、
暴飲暴食しがちだったそうですが、血糖値が急激に上下に変動する原因に
なり、動脈硬化が進むことにもなります」


秀樹の体型に無縁なように思える糖尿病だが、I型とII型があり、I型は
比較的若く、やせ型の人が罹患しやすく、インシュリン不足で症状が急激に
現れるケースが多いのだという。



<リハビリの負担が蓄積か>
三貴エージェンシーの小川茂雄代表は、主催した秀樹のイベントについて
こう語る。
「4月14日、栃木県足利で行われた“同窓会コンサート”では調子がよく、
体調がすぐれないときは座って歌うこともありましたが、この日は
『ブーメラン ストリート』『激しい恋』など5曲とアンコールの『ヤング
マン』を立って歌いました。4年後のデビュー50周年に向けてリハビリに
専念するため、今年は仕事をセーブする意向でした」

先を、先を、と考えながら、日々、リハビリに取り組んでいたが、「心房
細動や不整脈などの病気が隠れていて、心臓から血の塊が脳に飛んでいく
こともあります。西城さんも心臓になんらかの持病があった可能性があり、
リハビリで負担が蓄積し、急性心不全が起きた可能性も考えられます」
(工藤院長)

家族のための努力が、家族を悲しませる結果につながったとしたら、秀樹の
無念はいかばかりだろうか。


「週刊新潮」2018年5月31日号 掲載


http://news.livedoor.com/article/detail/14799571/


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