世界で1000人未満とされる「メビウス症候群」を抱えるカップル

[笑顔になれない稀な疾患を抱えた男性、同じ病の女性と巡り合う(英)]

(TechinsightJapan  2018年11月18日)


脳神経の中で眼の運動や顔の表情形成に深く関係する「外転神経」と
「顔面神経」に発達障害があり、両神経に麻痺が生じて顔の表情を作ることが
不可能になってしまう「メビウス症候群」をご存知だろうか。
世界中でもその患者数は1,000人に満たないとされるほど非常に稀な神経
異常であり、この疾患についての原因は未だ確定しておらず、決まった
治療法もない。
このほど、生まれた時からその病を抱えているイギリス人とアメリカ人
カップルのニュースを『Mirror』『The Sun』などが伝えている。


http://japan.techinsight.jp/2018/11/ellis20371115.html


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[メビウス症候群]


脳から直接出ている末梢神経を脳神経と呼びます。
12対あります。
第VI脳神経である外転神経(眼球を外に動かす神経)と第VII脳神経である
顔面神経(顔の筋肉を動かす神経)とに生まれつき麻痺を認める場合に
メビウス症候群と言います。
メビウスは報告したドイツの神経科医の名前です。
第V脳神経である三叉神経や第VIII脳神経である内耳神経も麻痺することが
あります。

患者数は推定で5万人に1人。
日本国内では1,000人前後と推定されています。

原因は不明です。
仮説は2つあります。
1つは胎生早期(妊娠10週前後)の虚血説、もう1つは小脳・脳幹の発達
異常説です。
現在のところは胎生早期の虚血説が有力です。

海外で2つ原因遺伝子が明らかにされましたが、現在のところは日本人患者で
その遺伝子の変化は報告されていません。
すなわち、現在のところは日本人症例は孤発例です。


<参照>
・Wikipedia
・難病情報センター


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