カキのノロウイルス、極小の泡で除去 京都の企業が開発

[カキのノロウイルス、極小の泡で除去 京都の企業が開発]

(京都新聞  2018年5月30日)


電子部品メーカーのトスレック(京都市南区)は25日、極小の泡を使って
カキの内部からノロウイルスを取り除く技術を開発した、と発表した。

カキを提供するなど研究に協力した海洋高(京都府宮津市上司)で成果
報告会を開き、主産地の広島県の漁業関係者らと共に、ウイルス除去の原理や
実用化に向けた取り組みを確認した。

研究は、同社や同高、専門家らでつくる研究グループが昨年4月から始めた。

直径1ナノメートルの微細な気泡「ウルトラファインバブル」を、均一に発生
させる同社独自の装置を活用した。
マイナスの電荷を持つ気泡がカキの内部に入り込み、プラスの電荷を持つ
ウイルスに吸着させ、カキの体外に排出させる仕組み。

実験は、ノロウイルスと構造や大きさが近い代替ウイルスを感染させた
広島県産のマガキと生徒が育てた岩ガキを使った。

マガキでウイルスを99.96%、岩ガキで99.92%取り除くことに成功。
いずれも従来の紫外線を使った方法よりも多く除去できた。

東北大の高橋計介准教授は「ウイルスをほぼ浄化できる可能性が示された」と
話す。

報告会では、校舎内の実験スペースで、同社の中尾順次研究開発部長が研究
メンバーや生徒らにウイルス浄化の工程を説明した。

広島県漁業協同組合連合会の渡辺雄蔵専務理事は「このシステムでカキの
安全性を確保し、消費拡大につなげたい」と期待。

同高3年西野海杜さん(17)は「最先端の研究に関わることができ大きな
財産になった」と話した。


今後は広島県でカキ生産者らと研究を本格化させ、装置の商品化を目指す。



https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180525-00000034-kyt-bus_all





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