妊娠中に不足しがちな鉄と葉酸、サプリメントで子どもの死亡率低下

[妊娠中に不足しがちな鉄と葉酸、サプリメントで子どもの死亡率低下]

(MEDLEY  2015年7月18日)


<ネパール1万3千出生の観察研究>
妊娠中は鉄と葉酸が不足しやすく、葉酸不足は二分脊椎などのリスクに
つながると言われています。

ネパールの出産について調べたところ、母親が妊娠時に鉄と葉酸のサプリ
メントを飲んでいたとき、子どもの5歳未満での死亡率が小さくなって
いました。



<ネパールの子ども12,891人が対象>
研究班は次のデータを対象としました。

Nepal Demographic and Health Surveysの2001年、2006年、2011年の
データをプールして得られた、最近の単胎出産の生産児12,891人の生存情報が
利用された。

ネパールで最近生まれた12,891人の子どもについての情報を統計解析し、
5歳未満での死亡率と、妊娠時に鉄と葉酸のサプリメントが使われていたかの
関連を調べました。



<サプリ使用で死亡率減少>
解析から次の結果が得られました。

出産前の鉄・葉酸サプリメントの使用は、早期新生児死亡率を45%減少させ
(調整ハザード比0.55、95%信頼区間0.38-0.79)、総新生児死亡率を42%
減少させた(調整ハザード比0.58、95%信頼区間0.39-0.85)。
同様に、乳児死亡率は32%、5歳未満の死亡率は48%減少した。


母親が妊娠中に鉄と葉酸のサプリメントを飲んでいた場合に、出産後
7日未満、28日未満、1年未満、5年未満のどの期間についても、子どもの
死亡率が低くなっていました。



日本では食習慣や環境の違いなどから、この結果が同程度に当てはまるとは
限りませんが、鉄と葉酸の補充は多くの研究結果から勧められています。

ただし、多く摂取すればするほど効果が増すものではないので、適切な用量に
ついては医師と相談することをお勧めします。



(大脇 幸志郎)



https://medley.life/news/item/55a5bfb9c5782f2a01cea3b8




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