経口避妊薬使用の若齢女性でクローン病リスクが増大

[経口避妊薬使用の若齢女性でクローン病リスクが増大] (HealthDay News  2012年5月21日) 若齢女性による経口避妊薬、高齢女性によるホルモン療法の使用が炎症性腸 疾患(IBD)と関係する可能性が、新しい研究で示され、米サンディエゴで 開催された米国消化器病週間(DDW2012)で発表された。 米マサチューセッツ総合病院(ボストン)のHamed Khalili博士らの研究で、 経口避妊薬はクローン病の高リスクと、また一部の女性が閉経後に受ける ホルモン補充療法は潰瘍性大腸炎と関係していることが明らかになった。 このうち経口避妊薬とクローン病において最も大きな患者での関連性が 示され、経口避妊薬を5年以上使用すると、クローン病リスクは3倍になると いう。 Khalili氏らは大規模な米国看護師健康研究(NHS)IおよびIIに登録された 若齢女性約23万3,000人を対象に、最初の研究がスタートした1976年から 2008年までのデータを検討。 その結果、クローン病309例、潰瘍性大腸炎362例が認められた。 避妊薬を全く使用しなかった女性と比較したところ、現在避妊薬を使用して いる女性ではクローン病リスクはほぼ3倍であった。 潰瘍性大腸炎については、非使用群に比べてリスクは増大していなかった。 2つ目の研究では、1976年にスタートしたNHSに登録されていた閉経後女性 10万9,000人近くのデータを検討。 同氏らが2008年に追跡調査を行った結果、クローン病138例、潰瘍性大腸炎 138例が認められ、ホルモン療法群の潰瘍性大腸炎リスクは非ホルモン 療法群の1.7倍であった。 クローン病では関係はみられなかった。 両研究は、ホルモンを用いた治療と消化管障害の関連性を示しているが、因果 関係は証明されていない。 Khalili氏は「これらの明白な関連性について、現時点では機序は明らかでは ない。動物研究では、エストロゲン投与により、大腸が炎症にさらされやすい ことが明らかにされている」と述べている。 同氏は「IBDの強い家族歴があり、経口避妊薬を使用している女性は、 関連性が示された今回の研究結果について認識する必要がある」と述べて いる。 両研究の共著者の1人は、ファイザー社、ミレニアム・ファーマシュー ティカルズ社、バイエルAG社の顧問を勤めていることを開示している。 別の専門家は、「この関係はおそらく若齢女性でより懸念される。高齢女性 ではリスクがあるものの、ごくわずかなようである。経口避妊薬を使用して いる若年女性でのクローン病との関係(リスク増大)のほうが強いと思わ れる」と述べている。 今回の研究は学会発表であるため、データおよび結論は、ピアレビューを 受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなす必要がある。 http://www.healthdayjapan.com/No tags for this post.
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