東アジアの子供に近視が多いのは日光不足が原因、豪大研究

[東アジアの子供に近視が多いのは日光不足が原因、豪大研究]

(AFPBB News  2012年05月07日)

(発信地:パリ/フランス)

【5月7日 AFP】
東アジア都市部の子供たちに近視が多い原因は、勉強やコンピューター
ゲームや遺伝的なものではなく、屋外で日光を浴びる時間が短いためだとした
豪研究チームの論文が4日、英医学専門誌ランセット(Lancet)に掲載
された。


日光を浴びると脳内化学物質ドーパミンの放出が促される。

このことが、眼球が伸びて目に入った光の焦点が合わなくなることを防ぐと
考えられている。


研究を行ったオーストラリア国立大学のイアン・モーガン教授はAFPの
取材に、「明るい光の刺激によるドーパミンの放出が近視を予防している
ことは明らかだ」と説明した。


若者の10人に9人が近視だというシンガポールでは、小学生たちが1日に
屋外で過ごす時間は、平均でわずか30分だった。

これに対し、ヨーロッパ系の子供たちの近視率が10%のオーストラリアの
子供たちが屋外で過ごす時間は平均3時間もあった。

モーガン氏によると、英国の子供たちの近視率は 30~40%、アフリカでは
わずか2~3%程度だという。



<近視予防には「1日に2~3時間は屋外に」>
東アジアの子供たちは学校でも家庭でも屋外に出ることが少なく、勉強するか
テレビを見ているとモーガン教授は指摘する。

義務教育以上の年代で最も近視が多かったのは、日本、韓国、中国、台湾の
都市や香港、シンガポールで、このうち10~20%は失明につながりかねない
重度の近視だった。


東アジアで近視が多い傾向について、50年ほど前までは遺伝的な要因による
ものと考えられていた。


だが、モーガン教授は、遺伝ではなく環境によるものだと強調する。

教授によれば、読書やコンピューターに没頭すること自体に害はなく、毎日、
一定の時間を屋外で過ごしていれば、室内でいくら勉強に励んでも問題は
ないという。

最も近視リスクが高いのは、勉強ばかりしていて外に出ない子供たちだ。
モーガン教授は、近視の予防には通学の時間を含めて2~3時間、屋外で
過ごせば「ほぼ安全だろう」と語った。

さらに教授は、東アジアの国や地域では、日光の下で過ごす時間と勉強の
時間を両立できるよう、子供たちの学校での過ごし方を見直す構造的な変化が
必要ではないかと指摘した。



http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2876419/8905517





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