新型肺炎に感染したと思い込んだ男性、感染から家族を守るために自殺(印)

[新型肺炎に感染したと思い込んだ男性、
                感染から家族を守るために自殺(印)]

(TechinsightJapan  2020年2月13日)

感染拡大の勢いが止まらない新型コロナウイルスだが、このほどインドで
ウイルスに感染したと思い込んだ男性が、家族や村の人達に感染させることを
恐れて自ら命を絶ってしまった。

男性は感染した事実がなかったにもかかわらず、死に追いやられてしまった
のだ。
『NDTV』『Hindustan Times』などが伝えている。

インドのアーンドラ・プラデーシュ州チットゥール県シュリーカーラハスティ
の農村部に住むバラクリシュナヤさん(50)が今月11日、首を吊って
自らの命を絶ってしまった。
彼は現在猛威をふるう、新型コロナウイルスに感染したと勘違いしていたと
いう。

家族の話によると、バラクリシュナヤさんは今月1日あたりから風邪のような
症状があり発熱していたようだ。

5日にルイア病院で診察を受けたところ、尿路感染症と診断された。
医師からは薬を処方され、マスクをするように勧められた。

病院を出たバラクリシュナヤさんは姉妹宅に2日間滞在した後、自宅に戻って
来た。

ところが処方された薬を服用しても咳や発熱が治まらなかったことから、
次第に「新型コロナウイルスに感染したのでは…」と思うようになった
そうだ。
バラクリシュナヤさんはインターネットや新聞などでウイルス性疾患に関する
情報を調べていくうちに、精神的に不安定になっていったという。

しまいには家族に向けて石を投げつけ、「感染しているから近くによるな」と
奇妙な行動をとるようになってしまった。

そして11日の朝、バラクリシュナヤさんは自宅のドアを外からかんぬき錠で
ロックして家族が出られないようにした後、村の外れにある母親の墓の
近くに立つ木で首を吊って命を絶ってしまった。

亡くなったバラクリシュナヤさんの息子バラムラリさんは、このように語って
いる。
「父は病院でマスクをするように言われたことから、新型コロナウイルスに
感染していると思い込んだようです。そして私達家族を自分のもとに
近づけないようにしていました。父には『感染などしていない』と言ったの
ですが、聞く耳を持ってもらえませんでした。もし適切なカウンセリングを
受けていたら、私達の話を聞いてくれたかもしれません。」
「父はインターネットの動画などで調べて、ウイルスの情報が全て自分の
症状と一致すると結論づけたようです。私達は父を救うこともできないまま
家に閉じ込められ、父はそのまま首を吊って亡くなってしまったのです。」

バラクリシュナヤさんが受診したルイア病院のNV・ラマニア院長は
「当院ではどの医師も彼に対して新型コロナウイルスについて触れては
いません。本人は腎臓と肺に問題を抱えていましたが、それはよくある
症状です。我々は彼が結核にかかりやすくなっていると判断し、マスクを
つけるように指示しました」と述べている。

インドでは13日現在、新型コロナウイルスの感染が確認されているのはケ
ーララ州で中国・武漢から先月に帰国した学生3人のみとのことだ。

(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

https://japan.techinsight.jp/2020/02/masumi02130953.html

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