夜、人はストレスに弱くなる

[夜、人はストレスに弱くなる?]

(あなたの健康百科  2018年12月6日)


人のストレスに対する防御機構は、朝から昼にかけては正常に働くが、
夜は十分に機能しないことが北海道大学などの研究で分かった。
研究グループは、「今回の知見は、体のリズムが乱れやすい現代社会での
ストレスマネジメントへの応用が期待できる」としている。

詳細は海外の神経薬理学の専門雑誌に報告された(Neurosychopharmacol
Rep 2018年11月27日付オンライン版)。



<夜は交感神経系のストレス防御機構しか働かない>
この研究を行ったのは、北海道大学大学院教育学研究院准教授の山仲勇二郎
氏、よつば乳業中央研究所研究員の元島英雅氏などのグループ。

実験では、27人の健康な若者にスピーチ課題や暗算課題などを課すストレス
試験を行い、試験開始前と試験開始後10分ごとに30分後まで唾液中の
コルチゾル濃度を測定した。
また、実験中は心電図を計測し心拍数の変化を観察した。
起床2時間後に実験を行う朝グループ(14例)と、起床10時間後に行う
夜グループ(13例)の2つが設定された。


コルチゾルは、ヒトの代表的なストレス防御機構である「視床下部‐下垂体‐
副腎皮質系」の活動度を示す指標であり、その濃度が高いほどストレスに
対する防御が働いていることを意味する。
コルチゾル濃度は日内リズムが知られており、朝方に高く夜にかけて低く
なる。

一方、心拍数は交感神経系のストレス防御機構の指標とされる。


実験の結果、朝グループではストレス試験によりコルチゾル濃度が上昇し、
正常なストレス応答が確認できた。
一方、夜グループではストレス試験を行っても、コルチゾル濃度はあまり
上昇しなかった。

研究グループは、コルチゾルの日内リズムが関係していると見ている。

一方、心拍数は両グループともにストレス試験で高くなっていた。

これらの結果から、朝方では「視床下部‐下垂体‐副腎皮質系」と交感神経系の
両方がストレスに反応していたが、夜方では交感神経系しか反応しなかったと
結論した。

研究グループは、朝はストレスに対する防御機構が正しく働くが、夜は
ストレスにうまく対応できないことが示されたとしている。


https://kenko100.jp/articles/181206004726/#gsc.tab=0




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