町長の古巣を提訴へ 東海大学大磯病院巡る契約で

[町長の「古巣」提訴へ 東海大学大磯病院巡る契約で]

(神奈川新聞  2018年9月3日)


東海大学医学部付属大磯病院(大磯町月京)の拡張計画を巡る町有地の売買
契約に不履行があったとして、同町は1日までに、東海大(東京都渋谷区)に
違約金約4900万円の支払いを求める訴訟を横浜地裁小田原支部に起こす
方針を明らかにした。

同病院の拡張計画は売買の合意から10年以上進展がない。

中崎久雄町長は計画が浮上した当時の同病院長に就いており、かつての職場を
訴える形となった。



<町側「契約不履行」 大学側「義務ない」>
町は3日開会の町議会第3回定例会に関連議案を提出、議決を経て提訴する
構え。

町は売却した土地の用途に関して契約不履行があったと主張、一方の東海大は
違約金の支払い義務はないとしている。

町によると、2004年に同病院長だった中崎町長の名義で病院の拡張計画の
打診があり、町は地域の中核病院の充実に協力するため、2006年に隣接する
町立幼稚園とゲートボール場の敷地を東海大に売ることで合意。
町は総額約5億円をかけて幼稚園を移設した上で、2008、2010年に売買
契約を結び、町有地計約7600平方メートルを約4億5千万円で売却した。

契約ではいずれも、10年以内に「高度診断センター建設と病院本体の建て
替え」が実現できなかった場合、東海大が町に違約金を払うとする特約条項を
入れた。

しかし、資金不足から計画の見通しが立たず、東海大は2017年に「病院建設
への財政支出は当面不可能」と通知。
売却した土地は職員用駐車場になっている。

その後、町は売却から10年が経過した約3600平方メートル分についての
違約金の支払いを求めたが、東海大は「(契約書の)全ての条項に違反して
いなければ違約金を支払う義務はない」と拒否。

町は「契約書の全体を読めば、一つでも条項に反すれば違約金の支払い義務が
あるという意味になる」と反論し、打開策を見いだせずにいた。


一方、中崎町長は2003年から2007年まで同病院の病院長に就き、拡張計画
にも携わっていた。

中崎町長は神奈川新聞の取材に対し「議会前なのでコメントは控えたい」と
し、東海大も「訴訟に関わることなので現時点で答えられることはない」と
した。





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