生肉摂取者は献血NG 自粛を喚起

[加熱不十分な肉食べた人は献血控えて! 輸血からE型肝炎 献血者が鹿肉で感染?] (産経新聞  2018年2月20日) 血液製剤の輸血で80代女性がE型肝炎ウイルスに感染、約100日後に劇症肝炎 (急性肝不全)で死亡していたことが先月末、厚生労働省の有識者会議で報告 された。 E型肝炎ウイルスは主に、よく加熱されていない豚や野生動物の肉を食べる ことなどで感染する。 同会議で報告した日本赤十字社は、当分の間、加熱不十分な肉を食べるなど した人に献血の自粛を呼びかけている。 (平沢裕子) <感染気付かず献血> 日赤によると、死亡した80代女性は多発性骨髄腫の治療中だった。 抗がん剤による肝機能の低下に加え、輸血でE型肝炎ウイルスに感染した ことが複合要因となり、劇症肝炎を発症したとみられる。 献血者の血液から、死亡した女性から検出されたものと同じウイルスが検出 されている。 献血者はE型肝炎を発症していないが、献血の約2カ月前に生の鹿肉を食べ、 E型肝炎に感染した可能性があるという。 E型肝炎は、E型肝炎ウイルスに汚染された肉や水などの摂取で感染する。 食品安全委員会の委員も務めた川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は 「症状がないまま治癒する場合が大多数のため、感染に気付かない人も少なく ない」と指摘する。 E型肝炎の発症率が北海道で高いことから、日赤は道内で献血された血液に ついて、E型肝炎ウイルスが含まれていないかの検査を試験的に実施。 低価格で検査できる試薬の開発も急いでいる。 日赤広報は「肝炎ウイルスは、輸血を受けた人が後に感染する可能性がある。 問診に正しく回答してもらうなど『責任ある献血』への協力をお願いしたい」 とする。 <肉の生食はNG> E型肝炎は、感染から発症までの潜伏期間が2~9週間(平均6週間)と 長いこともあり、感染源が特定されないことも少なくない。 国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、平成24年から28年までに E型肝炎として届け出があった701人のうち、推定感染源の記載があったのは 約4割の290人にとどまる。 推定感染源で最も多かったのが豚(肉・レバー)で121人、次いでイノシシ 34人、鹿32人の順だ。 豚では半数の61人がレバーを食べており、29人が生で食べていた(重複 含む)。 食品衛生法で27年6月から豚の肉・レバーの生食用提供が禁止されたが、 平成28年の感染者にも生食した人がいた。 「加熱用といいながら生レバーを提供する店や、焼かずにこっそり生で食べる 人がいる」(都内の保健所担当者)との指摘もあり、禁止以降も生食する人が 絶えないのが感染の一因のようだ。 <リスク高い妊婦> 新たなグルメとして注目され、鳥獣被害防止対策として農林水産省が活用を 推進する鹿やイノシシなどジビエ(野生動物)の肉・レバーも要注意だ。 ジビエの肉・レバーは生食での提供が禁止されていないが、E型肝炎 ウイルスに汚染されていることがある。 生や加熱不十分で食べたことが原因での感染がこれまでにも多数報告されて いる。 岡部所長は「E型肝炎のほとんどは自然治癒するとはいえ、中には劇症肝炎に 進展し、死亡することもある。特に妊婦や高齢者はリスクが高い。豚や ジビエの肉・レバーは中心部まで十分に加熱して食べてほしい」と話して いる。 <HIVは2重検査すり抜けも> 近年の輸血をめぐるウイルス感染では、60代男性がエイズの原因となるHIV (ヒト免疫不全ウイルス)に感染したことが平成25年に報告されている。 日本赤十字社では、血清学的検査と核酸増幅検査(NAT)の2種類でHIVを チェック。 これらの検査は、ウイルス感染者の抗体やウイルスの有無を調べるものだが、 感染して8週間程度だと検出できず、この期間に献血すると検査をすり抜けて しまう可能性がある。 日赤は献血時にHIV感染リスクや肝炎罹患の有無などの問診を強化している。 http://news.livedoor.com/article/detail/14327476/                No tags for this post.
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