専門医ら 食品に葉酸の添加を

[葉酸を添加して…専門医ら食品メーカーに要望「先天性疾患を予防」]

(読売新聞  2015年9月2日)


先天性の脳や脊髄の病気予防のため、野菜などに含まれる栄養素の葉酸を
加工食品に添加するように求める要望書を専門医らのグループがまとめ、
日本パン工業会など6団体に送った。

国の対策が進まず、食品メーカーの業界団体に直接訴える行動に出た格好だ。


葉酸は、母親の体内で胎児の脳や脊髄が作られる過程で欠かせない栄養素。
緑黄色野菜やレバーなどに多く含まれる。
不足すると、神経が背中から外に露出してまひなどが起こる二分脊椎や、
脳がうまく作られない無脳症の原因になる。

要望書によると、妊娠1か月以上前から妊娠3か月までに1日0.4ミリ・
グラム程度の葉酸サプリメントを摂取すれば、こうした病気を減らせる。
ただし同じ量の葉酸を通常の食事によって取るのは難しい。

厚生労働省は2000年、妊娠を望む女性に、サプリメントによる摂取を勧告
しているが、十分周知されていない。

また予期せぬ妊娠で、摂取の時期を逃す女性も多い。

国内では二分脊椎の子どもが生まれる割合は減らず、年間500~600人が
生まれている。

一方、米国はじめ82か国では、穀類などに葉酸が添加され、二分脊椎の
子どもが生まれる割合は減っているという。


要望書は脳神経外科医、産婦人科医ら26人が賛同した。
代表発起人の近藤厚生・熱田リハビリテーション病院副院長は、「本来は、
国による添加対策が望ましいが、業界団体への要望が、手っ取り早く、
速やかな効果が期待できるだろう」と話している。




http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150902-00010003-yomidr-hlth





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