チキンガーリックステーキ浜田康裕さん 舌がん手術し復帰

[歌手の「命」失っても 福岡市で年越しライブ 
            舌がん手術し復帰 浜田康裕さん(50)=神戸市]

(西日本新聞  2013年12月25日)


口内炎とは明らかに違っていた。
痛みはないが見た目はひどい。
2週間たっても治らなかった。

近所の口腔外科で「すぐに大病院に行ってください」と告げられ、西神戸医療
センターに行くと、医師は患部を診ただけで宣告した。
「舌がんです」

2010年9月、男性6人のアカペラグループ・チキンガーリックステーキ
(CGS)の歌手、浜田康裕さん(50)=神戸市在住=の壮絶な闘病生活の
始まりだった。
がんの大きさは2.2センチ。
歌手にとって「命」ともいうべき舌の一部を切り取らざるを得なかった。


CGSは1990年、リーダー川上伸也さん(54)を中心に神戸市で結成。
1999年に現在の6人となり、2002年にメジャーデビュー。
これまで10’枚のアルバムを発表、楽器を一切使わず声だけで表現する
アカペラの可能性を追求している。

CGSは浜田さんの復帰を信じ、5人で活動を続けた。


手術後、浜田さんは懸命にリハビリに取り組んだが、半年後、同じ部位に
再発の兆候があり再手術。

2012年3月には恐れていたリンパ節への転移が見つかった。
3度目の手術後、抗がん剤投与と放射線治療が同時に始まった。
吐き気と脱毛、口の中のやけどに苦しんだ。
放射線照射で舌も声帯も焼け、唾液や声は出ない。
食べ物を口から摂取できず、胃につないだチューブで栄養剤を流し込んだ。
3カ月で体重は9キロ減った。

「何度も投げ出しそうになったが、そのたびにCGSの仲間やファンの顔が
浮かんだ」
病を乗り越えた今も肌身離さず持ち歩く手作りのお守りがある。
3度目の手術の際、当時10歳の長女が作ってくれた。「大丈夫」。
こう書かれた娘の文字に、何度も救われたという。


昨年12月、神戸市のコンサート。
アンコール曲だけ参加した。
サプライズ復帰に1580人の聴衆は総立ちとなった。
メンバーは涙があふれ、誰もまともに歌えなかった。


今月、発表した11枚目のアルバム「HOME(ホーム)」。
浜田さんが書き下ろした「愛はここにある」が核になっている。

 守るんだ 守るんだ その笑顔守るため 
 生きるんだ 生きるんだ この時代を生きるため 
 今何が自分に出来るだろう? 
 そうさ まだまだまだ夢は続くんだ そうさ まだまだまだ愛はここにある

CGSは31日午後11時半から福岡市博多区のホテル日航福岡でのカウント
ダウンイベント(入場無料)に出演する。
支えてくれた人への感謝を込めて-。
浜田さんは「愛はここにある」のリードボーカルとしてステージに立つ。




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