コーヒー酔いとデカフェ

[カフェイン]

(Wikipedia)


<デカフェ >
西欧人にはアルコール耐性が高い人が多く、酒を飲んでも表情に出ず酔い
つぶれにくいということがある。

しかし、カフェインへの耐性が無い、または低い人が多く、このような人は
しばしばコーヒー酔いを起こす。
デカフェ(カフェイン除去済みのコーヒー)の需要が多い。

アジア系でカフェイン耐性が無い人は比較的少ないといわれている。


2005年にアメリカ合衆国で発売されたフォー・ロコは、カフェイン入り
アルコール飲料であり、飲みやすさから若年層に人気があったが、
カフェインが酔いを助長させ多数の急性アルコール中毒患者を出した
ことから、後にカフェインなどの成分を取り除く見直しが行われた。



<副作用>
多くの人がコーヒーや緑茶などからカフェインを日常的に摂取しているが、
過剰な摂取は健康に害をおよぼすことが知られている。
カフェインは法的に禁止・制限された薬物ではないが、脳神経系に作用する
ものである。
そのため、限度を超えた摂取や投薬中・妊娠中のカフェインの摂取に関しては
医者の指示を仰いだ方がよい。

不眠症がある場合には、カフェイン摂取は制限するか控えることが望ましい。

利尿作用があるため、コーヒー等カフェインを多く含む飲料は水分補給と
しての効果が薄い。

カフェインは一時的に頭痛を止める働きがある一方で、常用するとかえって
頭痛が起こりやすくなる。
これは、カフェインの脳血管収縮作用により頭痛が軽減されるためで、時間の
経過とともにこの血管収縮作用が消えると反動による血管拡張により頭痛が
生ずることがある。

カフェインの常用で血圧が4〜13mmHgほど上昇する可能性も報告されて
いる。

カフェインはエストロゲンの分泌を亢進させる働きがあるため、乳腺症などの
エストロゲンによる症状がある場合、カフェインの摂取を控えることで症状が
改善する場合がある。


カフェインは一部の薬とも相性が悪く、薬物代謝酵素の一種であるCYP1A2を
阻害する薬剤(シメチジン、フルボキサミン、オランザピンなど)との併用
では中枢神経作用が強く出現することがあり、モノアミン酸化酵素阻害薬との
併用では頻脈・血圧上昇が見られやすい。
これは、カフェインがCYP1A2を阻害するとともに、カフェインの代謝は
CYP1A2及びモノアミン酸化酵素により行われることに起因する。

コーヒーや紅茶と一緒に薬を飲んでいけないと言われている理由は主にここに
ある。


カフェインの体内での半減期は約4.9時間であるが、カフェインの禁断症状は
一般的に服用をやめてから12~24時間後に始まり、20~51時間後に最も強く
なり、2~9日間も続く。


カフェインの摂り過ぎは骨を弱くする。
(中屋豊著:よくわかる栄養学の基本としくみ)



<食品に含まれるカフェイン>
緑茶 235ml ; 30〜50mg
紅茶 235ml : 47mg
コーヒー(インスタント) 235ml : 62mg
コーヒー(豆から抽出したもの) 235ml : 95mg
コカ・コーラ 350ml : 35mg
コーヒー味アイスクリーム(ハーゲンダッツ1/2カップ) : 30mg


水出しにした場合、抽出時間にもよるが、これよりずっと少なくなる。
茶に含まれるカフェインはタンニンと結びつくためにその効果が抑制される
ことから、コーヒーのような興奮作用は弱く緩やかに作用する。



<おもな作用>
主な作用は覚醒作用、脳細動脈収縮作用、利尿作用。

医薬品にも使われ、眠気、倦怠感に効果があるが、副作用として不眠、
めまいがあらわれることもある。

カフェインを習慣的に摂取する人が半日から1日カフェインを摂取しなかった
時に現れる症状として最も顕著であるものは頭痛であり、その他、不安、
疲労感、集中力の欠如、抑うつが現れることがある。


カフェインはアデノシン受容体に拮抗することによって、覚醒作用を示す。

メチルキサンチン誘導体に共通の活性として、ホスホジエステラーゼの
非選択的な阻害作用があり、細胞内cAMP濃度の上昇を引き起こす。
これにより、心筋収縮力の増大、気管支平滑筋の弛緩、脳細動脈の収縮の
ような交感神経興奮様作用を示す。

これらの作用の結果、腎血管拡張により糸球体濾過量(GFR)が増大し、
さらに尿細管での水分の再吸収の抑制により利尿作用を現わす。
また膀胱括約筋に取り付いてその作用を抑制しているアデノシンの働きを
カフェインが妨害するために頻尿になるという説もある。

cAMPの濃度の増大は胃酸を産生する細胞では、プロトンポンプを活性化し、
胃酸分泌を亢進する。

わずかではあるが骨格筋収縮力を増大させる作用もあり、2004年までは
ドーピングに対する禁止薬物リストにも含まれていた。


カフェインの半数致死量(LD50)は約200mg/kg で、一般的な成人の場合、
10〜12g以上が危険といわれる。

医療分野において薬事法では1回(1錠・1包等)あたりに500mg以上の
カフェインを含むものを劇薬に指定している。

カフェインは体内で代謝され、主に尿酸となって尿と共に排泄される。



<概要>
カフェイン(caffeine)は、アルカロイドの一種。
プリン環を持つプリンアルカロイドの一種で、コーヒー類に含まれることから
この名がある。

安息香酸ナトリウムカフェイン剤などは強心・興奮作用を期待して使われる。

抗がん剤が破壊したがん細胞のDNAの修復を阻害する作用があるとされる
(抗がん剤などの効果を高める)。

コーヒー、コーラ、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ココア、チョコレート、栄養
ドリンクなどに含まれる。
一部の医薬品にも含まれる。

1819年(一説には1820年)にドイツのフリードリープ・フェルディナント・
ルンゲによってコーヒーから世界で初めて単離された。
分析化学者であったルンゲに、コーヒーの薬理活性成分の分離を勧めたのは
ゲーテであったと伝えられている。





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