内服薬光線過敏症:サイアザイド系降圧利尿薬、ニューキノロン系抗菌薬

[日光で起こる光線過敏症、首や腕など露出部に湿疹 薬剤によるケースも]

(あなたの健康百科  2013年03月13日)


うららかな春の日差しも、「光線過敏症」の人にとっては苦痛の種になる。
日光に当たったために起こる皮膚病で、多形日光疹をはじめ薬剤使用が要因と
なるケースもある。
紫外線が強くなる季節を迎え、東京慈恵会医科大学付属第三病院(東京都)
皮膚科の上出良一教授に聞いた。



<夕方から発症>
光線過敏症は、日光を受けて生じる皮膚症状の総称。

代表例が多形日光疹で、日本人の3~5%に見られるという。
「紫外線の刺激が原因で、首や腕などの露出部にかゆみのある赤い湿疹が
生じます。日焼けと違い、日光を受けた日の夕方ぐらいから発症し、毎年4月
から5月にかけて増えるのが特徴です」(上出教授)


薬剤によるケースでは、貼付薬や塗り薬の外用薬、内服薬の使用が背景に
ある。

外用薬では、整形外科で痛み止めに用いられるケトプロフェンという成分を
含んだ貼付薬が多い。
「ケトプロフェンを貼ったり塗ったりしたところに紫外線が当たると
アレルギー反応を起こし、光アレルギー性接触皮膚炎を起こします」
(上出教授)
真っ赤にかぶれて、ひどい場合は水膨れができる。
一度発症すると長く続くケースもある。



<対策は長袖、帽子、日傘>
日焼けのひどい状態を起こすのが、内服薬による光線過敏型薬疹だ。

「光線過敏型薬疹を起こす内服薬は、ニューキノロン系の抗生物質
(抗菌薬)やサイアザイド系の降圧利尿薬が代表的です。これらの薬を
内服していて普段よりも日焼けがひどいと感じたときには、まず皮膚科で
診てもらうとよいでしょう。光線過敏型薬疹と診断がつけば、かかっている
内科の医師にその旨を告げ、薬を代えてもらうのが治療の基本です」
(上出教授)


どの光線過敏症でも、皮膚症状にはステロイド薬などの抗炎症薬が用い
られる。
ただ、治療と予防の両面で最も大切なのは、紫外線を避けることという。
上出教授は「必要以上に神経質になるのは感心しませんが、光線過敏症で
困っている人は紫外線が強くなる春から夏の外出時は長袖、帽子、日傘、
さらには日焼け止めの利用を」とアドバイスしている。


2012年4月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)


http://kenko100.jp/articles/130313001200/






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