左の肩こり・朝の吐き気・・・心筋梗塞

最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学 テーマ: 『本当は怖い朝の吐き気〜見えない断層〜』 T・Sさん(男性)/44歳(当時)  会社員 この冬、築15年の木造2階建て4LDKのマイホームを手に入れたT・Sさん。 今まで住んでいたマンションとは違う、新しいわが家に大満足していました が、空間にゆとりがある分、家の中にいても、寒さを感じることが多くなって いました。 そして住み始めて2週間後の朝、突然、胃がむかつき、吐き気に襲われます。 さらに様々な症状が・・・。 <症状> (1)朝の吐き気 (2)左の肩こり (3)左腕の外側が痛む (4)息切れ (5)激しい胸の痛み <病名>心筋梗塞 <なぜ、朝の吐き気から心筋梗塞に?> 心筋梗塞とは、心臓の血管が詰まることで心臓の筋肉が壊死、最悪の場合、 死に至る病。 その原因は、心臓の血管がコレステロールなどによって動脈硬化を発症、 その内側がコブのように膨らんでしまうことで起きると考えられています。 事実、T・Sさんの心臓でも長年の生活習慣により動脈硬化が起きて いました。 しかし彼の場合、もう1つ大きな原因がありました。 それは家の中の気温差です。 通常、木造の一戸建ては鉄筋のマンションに比べ、家の中の気温差が発生 しやすい傾向にあります。 T・Sさんが最初の症状に襲われた、あの朝。 寝室と洗面所の気温差は、実に13度。 こうした急激な気温低下にさらされると、人間の体は反射的に血管を収縮 させます。 するとT・Sさんの場合、動脈硬化を起こしていた血管が収縮でさらに 狭まり、血液がほとんど流れなくなってしまいました。 その結果、心臓が一時的な酸素不足に陥ったのです。 この時、T・Sさんを襲った症状は「吐き気」。 では、なぜ心臓の異常が、吐き気となって現れたのでしょうか? 私たちの体には、脳が異常を感知するための神経が体中に張り巡らされて います。 しかし、この神経は複雑な構造のため、心臓で異常が発生しても、その事を 伝える信号が他の神経と混線してしまう場合があります。 すると、脳が心臓の異常を違う場所の痛みと勘違いしてしまう「関連痛」と いう症状が起こります。 T・Sさんも、この「関連痛」のため、心臓の異常を「胃の不快感」と勘違い してしまったのです。 肩こりや腕の痛みといった症状も、すべて暖かい場所から寒い場所への移動が 引き起こした関連痛でした。 心臓は痛みを感じにくいため、こうした様々な関連痛こそが重要なサイン なのです。 そしてついにT・Sさんに突き付けられた最終警告、息切れ。 この時、急な気温差と階段を上る運動によって、血管が一気に収縮。 心臓が血液をうまく送り出せないことにより、肺が酸素不足に陥ったのです。 もしこの時、専門医の診察を受けていれば、最悪の事態は避けられたかも 知れません。 しかしT・Sさんは、最後まで心臓の異常に気づくことは出来ませんでした。 そして、その冬1番の寒さを記録した元日の朝。 T・Sさんは気温24度の部屋から気温3度のトイレに移動。 気張った瞬間、急激な気温低下にくわえ、思いきり力んだために、血管が 猛烈に収縮。 その衝撃で血管の膨らんだ部分にひび割れが生じました。 すると、このひび割れを修復しようと血小板が集まりだし、固まってしまった のです。 こうなると血管は完全に塞がれ、血流もストップ。 酸素が行き渡らなくなった心臓は、心筋梗塞を起こし、ついにその動きを 停止。 T・Sさんは帰らぬ人となったのです。 思わぬ危険が潜んでいる冬場の屋内。 特に心筋梗塞による死亡者は、冬が夏の1.5倍。 その多くは家の中で発生しています。 とりわけ注意が必要なのは、トイレ、脱衣室、そして浴室。 どの場所も気温が低く、さらに服を脱いでしまうため、心筋梗塞を起こす 危険性が高くなってしまうのです。 http://asahi.co.jp/hospital/
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