卵巣がん 父から遺伝の可能性

[卵巣がんリスク遺伝子、父親から受け継ぐ可能性明らかに 研究] (The Telegraph  2018年2月24日)(AFPBB News) 【記者:Henry Bodkin】 卵巣がんは、父親から娘に遺伝する可能性があるとの研究結果がこのほど 初めて発表された。 今回の遺伝学的研究によって、この疾患を発症するリスクが母娘よりも 姉妹間の方が高い患者がいる理由がついに明らかとなった。 「サイレント・キラー」と呼ばれる卵巣がんは、がんが卵巣から転移するまで 症状が現れない傾向があり、その時点では治療がより難しくなるため、 症例によっては特に危険性が高く、5年生存率は46%となっている。 一般的に閉経後の女性に多く見られ、患者全体の半数を63歳以上の女性が 占めている。 しかし今回の研究では、この病気のリスク遺伝子を父親から受け継いだ 女性は、母親から受け継いだ女性よりも約6年早く発症する傾向があることが 分かった。 研究を行った米ニューヨークにある「ロズウェルパーク総合がんセンター」の 研究者らは、卵巣がんを発症している祖母と孫娘のペア、計186人のデータを 収集し、X染色体を解析した。 その結果、卵巣がんが父方の祖母から受け継いだ遺伝子に関係している 患者は、母方の遺伝子に関係した卵巣がんの患者よりも発症年齢が低かった。 また父方の遺伝子は、父親と息子が前立腺がんを発症する確率が高まる こととも関連性がみられた。 研究では、X染色体のある遺伝子が、BRCA遺伝子といったすでに知られる 他の感受性遺伝子とは別に、女性の卵巣がん発症リスクの原因となっている 可能性があることも判明した。 こうした発見によって、家族の病歴に関するスクリーニング検査や、場合に よっては遺伝子検査のおかげで、結果的により多くの命を救うことが可能と なるとみられる。 ケベン・イング医師は、「今回の研究によって、この病気を発症する娘が 家族に何人もいる理由の説明がつくかもしれない。子どもの性別を決定する のは父親の染色体であるため、娘は全員、父親と同じX染色体を受け継ぐ」と 説明し、「私たちが次にやるべきことは、より多くの家族を対象に解析を 行い、問題の遺伝子を突き止めることだ」と続けた。 同氏は、「3人の娘全員が卵巣がんを患っている家族は、BRCA遺伝子変異 よりもむしろX染色体の変異を受け継いだことによる影響の方がより高い 可能性がある」としている。 今回の研究結果は、米オンライン科学誌「プロス・ジェネティクス(PLOS Genetics)」に掲載された。 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180224-00010000-clc_teleg-intNo tags for this post.
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