血液検査 BNP値が170pg/mL以上で脳梗塞のリスク高

[血液検査で脳梗塞を予測も]

(あなたの健康百科  2018年04月05日)


<心房細動患者の血中BNP高値に注意>
心房細動は、心房が細かく動き、脈拍がバラバラになる不整脈の一種で、
放っておくと脳梗塞や心不全、認知症などの重大な病気を引き起こす恐れが
ある。

もし、そうしたリスクが事前に予測できれば、いくつかの予防策を講じる
ことができる。

このほど、金沢大学大学院医学系研究科循環器病態内科学の山岸正和教授
らが、血液検査で測定した血中BNP値が高い心房細動患者は、脳梗塞を発症
するリスクが高いことを発見した。

詳細は、3月1日の日本循環器学会学術誌「Circulation Journal」(オン
ライン版)に掲載されている。



<心房細動患者ではBNP値170pg/mL以上が脳梗塞の発症リスクに>
現在、日本には140~150万人の心房細動患者がいるとされている。
高齢者に多く、70歳代の6%が心房細動との報告もある。

心房細動の患者が脳梗塞を発症すると、半数以上が死亡、寝たきり、要介護と
なるため、その発症予防は極めて重要だ。

研究グループは、心房細動患者1,013人(平均72.8歳)について、年齢や
生活習慣、持病、治療状況などの情報を登録。
その後、1年ごとに脳梗塞や脳出血などのイベント発症状況や治療の変化
などを評価している。

そして今回、追跡開始2年目のデータから、登録時のBNP値が170pg/mL
以上と高い患者では、脳梗塞などの血栓塞栓症を発症する確率が明らかに
高くなることを突き止めた。

BNPは、心臓の機能が低下するほど数値が高くなるホルモンで、よく用いら
れている正常値は18.4pg/mL以下だ。
測定は、血液検査で簡単に行える。



研究グループは、今回の発見を踏まえ「BNP値は、心房細動の重症度を評価
する際の新しい目安となる。また、心房細動患者における脳梗塞の発症を
予測し、予防するための指標にもなる」とコメント。
さらに「今後、BNP値が心房細動の診断や治療に関するガイドラインに加わる
可能性もある」と期待を寄せた。




http://kenko100.jp/articles/180405004529/#gsc.tab=0





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