医療用大麻、米国で高齢者の利用急増

[医療用大麻、米国で高齢者の利用急増]

(AFPBB News  2018年8月25日)

【AFP=時事】
米カリフォルニア州在住のカイル・ジョンソンさん(68)とマーサ・マクベス
さん(63)は、体の苦痛を緩和するために大麻を利用している。
これまで、ジョンソンさんは腰痛と不眠症、マクベスさんは坐骨神経痛に
それぞれ悩まされていた。
多くの州が合法化を進め、大麻への注目が集まる中、高齢者の間でも痛みを
緩和する手段として大麻を使う人の数が急増している。
ジョンソンさんとマクベスさんもそうした利用者だ。


今年から嗜好用大麻を合法化したカリフォルニア州は、合法大麻の国内最大の
市場となった。

サンフランシスコを拠点とするスタートアップ企業「オクタビア・ウェルネス
(Octavia Wellness)」は、同州の高齢者を対象に大麻を提供している。

コンサルタントを務めるマクベスさんは、「好奇心と興味を持った数多くの
高齢者が、痛みと睡眠障害を取り除くためにここを訪れる」と話す。
マクベスさんによると、大麻への関心は非常に高く、老人ホームで行う
大麻製品の説明販売会は、白髪の潜在的顧客で常にあふれるほどだという。

商品は、チンキ剤、スプレー、食品、またローションやオイルなど局所用が
あり、服用者は気分の高揚なしに広範な病状を緩和することができる。

マクベスさんは、「(カリフォルニア州北部の)サンノゼで最近行った説明会
では、400人が参加を希望した」ことを明らかにし、その数に圧倒されたと
述べた。


複数の調査データによると、米国で大麻利用者の数が最も急速に増えている
のが高齢者層で、この傾向がこのまま続けば、その消費量においても若年層を
追い抜く可能性があるとされている。



<少量で始めて、徐々に増やす>
米当局の薬物使用と健康に関する全国調査によると、65歳以上のマリフアナ
利用者は、2006~2013年に250%増加している。
また、50歳以上を調べた別の調査では、2006~2016年に71%の増加が
示されている。

医療用大麻は29州で合法化されている。

このうちの1つであるカリフォルニア州では、大麻の売上が2020年までに
65億ドル(約7200億円)に達すると予測されている。

専門家らによると、関節炎から神経症、不眠症、慢性痛に至るまで、
さまざまな病気の治療のために多くの高齢者が大麻に目を向け始めていると
いう。

オピオイドを含め、処方薬による副作用を避けようとする理由もそこには
ある。

高齢者の大麻利用に関する著書があるビバリー・ポッター氏は、「高齢者の
中には、1日に飲む処方薬が20を超える人もいる…これらの薬は初めは
効き目があるが、その内に効果が薄れることが多い」と指摘する。

ポッター氏はAFPの取材に「(大麻を)試してみたい人への私のアドバイス
は、多くの人が言っているのと同じで、『少量で始めて、徐々に増やす』だ」
と述べ、「その目的は気持ちの高揚ではなく、自分の体について知る方法を
学ぶこと」と続けた。

最近、サンフランシスコ東方にあるブレントウードの高齢者居住地区で、
近隣住民のメリールー・モリナロさんと共同で大麻クラブを立ち上げた
ジョンソンさんは、「3月にクラブを発足させ、最初の会合には160人が
参加した。参加者らが心配していたのは、医療用大麻の利用、あるいは
それへの興味について、他人に知られることだった」と説明した。

67歳のモリナロさんは、大麻の医療目的での利用と高揚感を得るための利用を
同一視する人には「私を見て。ハイになって歩き回っているように見える?」
と質問するという。
そして、「多くの場合、自分に合う適切な製品を使うことで、ヘロヘロに
ならずに苦痛から解放される」ことを説明した。


http://news.livedoor.com/article/detail/15208414/


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大多数の米国民が医療用大麻を支持、大麻合法化の意識調査 


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