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症例
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[抱え込み(噛み合わせ)が原因だったインプラント上部構造脱離症例(1)]
50代男性
右下臼歯部にインプラント治療を行った インプラント治療自体は問題なく終了した
冠装着後3か月して土台部分がゆるんできた 但し、インプラント本体には異常がなかった
模型を精査したところ、 左上7が左下7を抱え込んでいた(ロック状態)
左上7をリシェイピング後、右下インプラントの上部構造を新製した その後、問題なく順調に経過している
左側のロック状態が顕著であったために、 早期での上部構造脱離に至ったと考えられる
(当院症例)
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[抱え込み(噛み合わせ)が原因だったインプラント上部構造脱離症例(2)]
50代男性
右下臼歯部にインプラント治療を行った インプラント治療自体は問題なく終了した
冠装着後7年して土台部分がゆるんできた 但し、インプラント本体には異常がなかった
模型を精査したところ、 左上7が左下7を抱え込んでいた(ロック状態)
左上7をリシェイピング後、 右下インプラントの上部構造を新製した その後、問題なく順調に経過している
左側のロック状態が中等度であったために、 7年後という比較的長いスパンで上部構造脱離に至ったと考えられる
(当院症例)
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[抱え込み(噛み合わせ)が原因だったインプラント上部構造脱離症例(3)]
50代女性
右下臼歯部にインプラント治療を行った インプラント治療自体は問題なく終了した
冠装着後10年して土台部分がゆるんできた 但し、インプラント本体には異常がなかった
模型を精査したところ、 左上7が左下7を抱え込んでいた(ロック状態)
左上7をリシェイピング後、 右下インプラントの上部構造を新製した その後、問題なく順調に経過している
左側のロック状態が軽度であったために、 10年後という長いスパンで上部構造脱離に至ったと考えられる
(当院症例)
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[当院症例の考察]
当院でインプラントの上部構造が緩んだのは全て右下であった
長年理由が解らなかった
最近になって新たに外注契約したA歯科技工士が謎を解決してくれた A歯科技工士が外注契約しているB歯科医院では、 右下と左上のインプラント上部構造が緩んだそうである
B歯科医師とA歯科技工士とでチューイングサイクルに関する咬合理論を見直したところ、 反対側の「抱え込み」(ロック状態)に気がついたという
自動車のホイールのナットと同じ理屈である FR車の場合、前輪にはブレーキング時により大きな力が加わる 後輪は加速時により大きな力が加わる ところが一般車のナットは全て右回しで締めつけるようになっているために、 左右で緩みやすさが異なる 一方、 レーシングカーは左右でナットの締めつけ方向が逆になっていて緩みにくくなっている
インプラントは一般車タイプのナットなので、 ブレーキング時や加速時の入力を小さくしなければならない それが咬合調整やリシェイピングであったり、 より本格的な噛み合わせ治療であったりする
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[インプラント治療が原因でなかった顎関節症症例]
50代女性
A歯科にて上顎前歯部にインプラント治療を受けた
その後しばらくして右側顎関節症を発症した 患者さんはインプラント治療が原因だと考えていた
B歯科(研究会メンバー)を受診 咬合診査の結果、 上顎前歯部のインプラント治療に問題はなさそうだった
一方、 上下左右の小臼歯がロック状態(はまり込み)で、 このロック状態が顎関節症の原因と思われた
ロック状態部分をリシェイピングしたところ、 しばらくして顎関節症は改善した
(研究会症例:TKNB)
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