胃潰瘍の原因
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(東京都病院経営本部HP改)
胃潰瘍の発生成因は、バランス説が有名です。
胃酸・ペプシン(タンパク質分解酵素)および これらの分泌を促進させる諸因子を 攻撃因子と呼んでいます。
これに対し 粘膜や粘膜自体の防御作用、 ホルモンによる胃酸分泌の抑制、 豊富な血流などを 胃粘膜防御因子と呼びます。
この2つの因子のバランスが崩れて 攻撃因子が優位になれば潰瘍が発生するという学説です。
胃潰瘍は主に防御因子の低下により起こります。 一方、 十二指腸潰瘍は攻撃因子の増強により起こります。
現在では、 そのバランスを崩す最大の原因は ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染と言われています。
ピロリ菌は50歳以上の日本人の70~80%に感染していますので、 ピロリ菌感染者のほんの一部の人しか 胃潰瘍を発症しません。 したがって、 潰瘍になるかどうかは 生活習慣やストレスなど他の原因も関係します。
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「東京都病院経営本部HP」
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日本人の場合、胃酸過多は少ないとされています。 逆に、 日本人の多くは、胃酸が少なめです。
にも関わらず、 胃炎や胃潰瘍の治療には 胃酸分泌を抑制する薬 ・プロトンポンプ阻害薬(PPI) ・H2ブロッカー(ヒスタミンH2受容体拮抗薬) が処方されています。
上記項目にあるように、 胃潰瘍の主原因は防御因子の低下です。
急性期(痛みが著しい時)に 一時的に胃酸を抑制するのは意味がありますが、 長期的に胃酸を抑制する薬剤を服用することは危険です。
胃酸は消化管の細菌増殖を抑制して 消化管を保護しています。
また、 プロトンポンプ阻害薬(PPI)は 骨粗鬆症の原因になることがあります。
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「プロトンポンプ阻害薬(PPI)と骨粗鬆症との関係」
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