[こどもの睡眠時無呼吸症候群 学力に影響、早めに治療を](産経新聞 2009年4月22日)夜間によく眠れないため、昼間に強い眠気が生じるなど日常生活を脅かす睡眠時無呼吸症候群(SAS)。最近、この病気が子どもにもみられるようになり、学力低下などの悪影響を及ぼすことが指摘されている。子どものSASに詳しい千葉県立保健医療大学健康科学部教授で、耳鼻咽喉科医の工藤典代さんは、啓発冊子を作成するなどして、適切な治療を受けるよう呼びかけている。(柳原一哉)工藤教授が病院勤務医だったころ、睡眠中に呼吸ができず、脈まで止まってしまった子どもが救急で病院に運び込まれてきた。「原因を探るとSASだった。場合によっては、命にもかかわるので決して侮らないでほしい」と警告する。SASは、「成人の場合、睡眠中に呼吸が10秒以上停止する『無呼吸』が1時間に5回以上繰り返される病気」などと定義される。主な症状は、 ・いびき ・熟睡できない ・昼間の強い眠気 ・集中力の欠如などで、死に直結するものではないが、生活の質(QOL)が低下する。子どもは成長段階によって体格や呼吸数が異なるため、一律の基準は設けられていない。ただ、工藤教授は「睡眠中に5、6秒程度の呼吸停止があれば、『無呼吸』に該当すると専門医の間では考えられている」と説明する。子どものSASが疑われるケースは、いびきのほか、横向きであごを上げて口を開けて 寝ていたり、無意識のうちに座位になって寝ていたりと、「気道を確保しようと無理な姿勢で寝ている場合が典型的だ」と、工藤教授は話す。工藤教授らが行った、全国21小学校への調査によると、睡眠中にいびきをかくため、SASの疑いが強いグループは、いびきをかかないグループに比べ、約1.6倍も「学習意欲の低下」「落ち着きがない」といったデータが出た。工藤教授は「睡眠が不足すると、日中にいらいらして落ち着きがなかったり、乱暴をしたりする。また、授業中の集中力が低下するなどして、学力にも悪影響を及ぼす。さらに、睡眠中に出る成長ホルモンの分泌が低下し、体の発達にも悪影響がある」と指摘する。子どものSASは原因の大半が、口蓋垂(のどちんこ)の裏側にある咽頭扁桃や、扁桃腺の肥大だ。睡眠中に、これらの部分が気道を狭めたり塞いだりし、無呼吸状態になりやすいという。このため、肥大部分の切除手術などを行って治療する。「咽頭扁桃の肥大などは成長過程で出てくることがあり、予防は不可能」と工藤教授。「SASの兆候が見られたら、早めに医療機関にかかり、必要があれば手術などの治療を受けてほしい」と話す。成人の場合と同様、肥満も気道が狭くなりやすいため、食事などの生活習慣を見直すようにしたい。財団法人日本学校保健会は今年2月、工藤教授が委員長を務めるSAS調査研究委員会を中心として、SASの知識を普及させるための小冊子「睡眠時無呼吸症候群について」を4万部作成、小学校などに配布し、利用を呼びかけている。<小児の睡眠時無呼吸症候群の兆候> ・呼吸が5、6秒止まる ・ひどいいびきをかく ・壁にもたれて座って眠る ・あごをあげて横になって眠る ・せき込む ・何度も目を覚ます ・昼間いらいらして落ち着かない*工藤典代教授の話を基に作成http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090422-00000080-san-soci
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