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[口にはめて いびきストップ]元東京医科歯科大学教授エッセイ (讀売新聞 2008年8月29日)年に1、2回、仲間と一緒に泊まりがけの旅をすることがある。久しぶりに仕事を忘れて行く旅ほど楽しいものはない。温泉につかり、宴会では飲んで騒いで、やがてそれは二次会、三次会へと果てしなく続く。夜も更け、さすがに遊び疲れたか、三々五々眠りにつく。こういう旅の場合、多くは数人で相部屋となるが、ここで運が悪いととんでもない悲劇が起こる。そう、仲間のいびきである。ライオンの咆哮(ほうこう)もかくありなんと思えるほどの凄(すさ)まじさ。ゴーッと行ったかと思えば、クーッと音が帰って来る。その繰り返しが、しばらく続いたかと思うと、ピタッと止まる。やれやれと思ったのも束の間、またまたゴーッから始まる。あーあ、これで今夜も眠れないか。もちろん、当の本人は気が付いていないから、「ああよく寝た。爽さわやかな朝だ」なんて、張り倒してやりたい程のセリフをはく。いびきは、鼻や口から吸い込む空気が喉(のど)に至る通り道(上気道という)のどこかが、さまざまな理由で狭くなったときに発生する。狭くなった上気道を空気が無理に通るから、粘膜が振動して音を発生する。笛と同じ原理だという。気道が狭くなるのは ・肥満 ・大きな舌 ・鼻づまり ・扁桃肥大などがある人に起こりやすい。そうでない人でも、お酒を飲んだ後、睡眠薬、鎮静薬を服用した時、口を開けて寝る、ストレスがたまっているときなどに起こる。いびきは他人に迷惑をかけるだけではなく、当人も、空気を十分に吸い込めないため、体内は酸素不足になり、脳の働きにも関係する。さらに重大なのは、睡眠時無呼吸症候群である。気道が狭くなって、ついには空気の流れがストップしてしまう。大きないびきが、急に静かになるときがあるが、実は呼吸が停止しているのである。そのため夜間に十分な睡眠が取れず、昼間に猛烈な睡魔にとらわれてしまう。電車やトラックの運転手が運転中に寝てしまい、大きな事故になってしまったことは幾度となくニュースで報じられた。いびきや無呼吸症候群の強い味方になってくれるのが、スリープスプリントという治療器具だ。ボクサーがはめるマウスピースに似た形態で、口にはめているだけで上気道が確保され、空気の流れがスムーズになる。もちろん最初はお医者さんの診断が必要だが、その指示のもとに歯科医院で製作することが出来る。作るのも比較的簡単だし、軽くて小さいから持ち運びが便利である。さあ、いつまでも一人で悩んでいないで、相談したらいかがですか?http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/karadaessay/20080829-OYT8T00390.htm?from=os2
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