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近未来の歯周病治療
[歯周病手術に床ずれ薬]
(日経産業新聞)
<成分転用、6月に第3相治験>
科研製薬は6月に、歯周病の手術時に使う歯科用治療薬について最終段階の
第3相臨床試験(治験)を国内で始めた。
販売中の床ずれ治療薬と同じ成分を利用し、歯を支える歯槽骨の再生を促す効果を
期待している。
2011年の発売を目指しており、ピーク時の年間売上高は100億円規模を見込む。
同成分を転用した骨折治療薬の開発にも取り組み、有効成分の収益価値を
最大限に高める。
開発中の歯科薬「KCB-1D(開発番号)」は粘り気を持つ液状の治療薬。
「塩基性繊維芽細胞成長因子(bFGF)」と呼ぶ成長因子が主な成分で、
細胞や血管などをつくることを促す作用がある。
「bFGF」は体内に広く分布している。
日本では40歳以上の約8割が歯周病になっているとされる。
悪化した歯周病の治療は、歯肉をメスで切り、奥深くの歯石などを取り除く
「フラップ手術」が一般的。
フラップ手術は歯周病の原因を確実に取り除けるが、歯の周辺組織が再生する
例は少なく、歯周炎が再発しやすい問題があった。
フラップ手術は年間で約40万件が実施されている。
手術時に患部に「KCB-1D」を詰め、慢性的な歯肉の炎症により破壊された
歯槽骨の再生を促すという。
科研製薬は「bFGF」を利用した薬の開発に力を入れている。
2001年にやけどや床ずれによる皮膚潰瘍薬「フィブラストスプレー」を国内で発売。
2008年3月期の売上高は37億円だった。
現在は骨折治療薬としても第2相治験中。
糖尿病による皮膚潰瘍薬としての治験は今年4月に断念した。
「bFGF」は米サイオスが大量製造技術を開発した。
1988年に科研製薬がアジアの開発販売権を取得。
2005年に権利の範囲を全世界に広げた。