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[慢性疲労症候群(CFS)の原因]
(医学のあゆみ Vol.228 No.6 2009/2/7号) (Wikipedia)
1999年、旧厚生省疲労研究班の疫学調査によると、59%の人が疲れを感じており、 36%の人が半年以上続く慢性的な疲労を自覚している。 しかし、半年以上慢性的な疲労が続いても、それが「慢性疲労症候群(CFS)」に 直結しているわけではない。
半年以上慢性的な疲労が続いている36%の人のうち、作業能力が低下するなど 他の症状がある場合には「特発性慢性疲労(IDF)」と呼ばれ、5.2%であった。 労働可能年齢人口から考えると、推定400万人以上の「特発性慢性疲労(IDF)」が 存在することになる。
一方、「慢性疲労症候群(CFS)」は徐々にメカニズムがわかってきていて、 当初考えられていたよりも患者数が絞られてきている。 日本には24万人程度と推定されている。
<遺伝子の異常に関する研究 > 慢性疲労症候群(CFS)患者にはある遺伝子の異常が起こっていることが 米国疾病予防管理センター(CDC)から報告されている。 遺伝子のオン・オフを切り替える仕組みに異常が生じ、適切でない時に 遺伝子がオンになることが、極度の疲労感に関与するのではないかと考えられている。
慢性疲労症候群(CFS)患者では健康な人と比較して、特殊な遺伝子表現があるとされ、 CFSは「多発性硬化症」や運動ニューロン病とおなじ分類にされるべきであるとされている。
マーカー遺伝子の発現解析結果を検査することで、高精度で慢性疲労症候群(CFS)の 診断が出来るとされる。 これは、遺伝子の異常がCFSに深く関わっていることを示唆する。 このことにより、診断が困難であったCFSの確定診断としての利用が期待される。 また、有効な治療法が無かった病気だが、新薬の開発への糸口になる可能性がある。
<感染症に関する研究> 慢性疲労症候群(CFS)発症時にしばしば発熱や咽頭痛、リンパ節腫脹などの 急性感冒様症状が認められることや、時々集団発生が報告されることから、 感染症の関与は否定できない。 ・エプスタインバールウイルス(EBウイルス) ・エンテロウイルス ・単純ヘルペスウイルス ・インフルエンザウイルス ・XMRVウイルス ・クラミジア ・マイコプラズマ ・カンジダ
<免疫の異常に関する研究> 慢性疲労症候群(CFS)ではアレルギー歴を有する人が多いとされている。 ・抗核抗体(ANA)(自己抗体の一種) ・免疫複合体の増加 ・NK活性の低下(ナチュラルキラー細胞) ・単球マクロファージ機能の低下 ・リンパ球のサブセット異常 ・種々のサイトカイン異常 などが報告されているため、何らかの免疫異常が関与していると思われる。
人が疲労を感じる際、そのシグナルとなる疲労伝達物質であるサイトカインが 産生されるとされる。 CFS患者では、このサイトカイン(TGF-β、インターフェロン)の産生異常といった 免疫機能障害によって、異常な疲労感が引き起こされると考えられている。
サイトカインの産生異常の原因として、患者の中には免疫の指標である NK活性が低下している者がおり、体内のウイルスが再活性化して サイトカインが産生されているという考え方がある。 ただ、現状ではNK活性の低下やウイルスは一部のCFS患者に見られるのみで、 特定できるような原因は発見されておらず様々な研究が行われている段階である。
<神経学的な異常に関する研究> 慢性疲労症候群(CFS)患者の中には、脳内の神経細胞の活動性が下がっている部位が 幾つかある患者がいる。 前頭前野の特定部位に限定しての「アセチルカルニチン」取り込みが低下しており、 この前帯状回の神経細胞は自律神経系の中枢部であり、グルタミン酸などの合成が 上手く行われていない可能性があり、このことにより自律神経系の諸症状がでることに つながっていると考えられている。 また、血中アセチルカルニチンの濃度低下により、倦怠感・思考力・集中力の低下なども 引き起こされる原因とされている。
また、ポジトロン断層法(PET)による脳の血流を調べたところ、前帯状回・ 眼窩前頭野・背外側前頭前野・側頭葉・後頭葉・脳幹部などの血流が大幅に低下し、 神経細胞の活動レベルが下がっている患者が見つかっている。 一部の患者の不定愁訴はこれらによるものと推測できる。
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