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[おしゃぶり代わりに野菜!]元東京医科歯科大学教授エッセイ (読売新聞 2007年9月28日)最近、野菜ソムリエなんて資格も現れ、健康志向の日本では野菜ブームのようである。肉好きは野蛮人みたいな扱いで、肩身が狭い。日本より先にというか、ずっと昔から野菜を大切にしていたのは、フランスである。パリにいた頃の野菜話。乳母車の幼児の手にセロリが握られているのをはじめて見た時は、何かの見間違いかと振り返った。でも人参をにぎっている子もいて、どうやら野菜がフランスの赤ん坊や幼児のおしゃぶり代わりと、気づいた。野菜スティックは、バーかスナックでの酒のつまみのイメージが強く、また、日本での散歩の幼児は、専用のビスケットなどをあてがわれているせいか、私には意外に思えた。お菓子を安易に与えず、歯によし、適度な硬さがあごの発達によし、そしてそうやって本来の野菜の旨味をインプットされた赤ん坊は、今頃、立派な大人である。三つ星レストランのシェフ?それとも、味にうるさいお客になっただろうか。そういえば、学生時代の歯周病の講義。教授が自分の息子にはおしゃぶり代わりに、セロリを与えていると言っていたのを思い出した。セロリに含まれる繊維がちょうど歯ブラシ代わりになっていたのかもしれない。江戸時代には房楊枝といって柳の枝の先を砕いて、ブラシのようにして歯を磨いていたし、古くはお釈迦さまが弟子達に広めたとされる「歯木(しぼく)」の話もある。古代インドでニームという木の枝の先をくしゃくしゃにして繊維を出し、祈りの前の清めに口をすすぐと言う習慣に使われていた、あの歯木である。おじさん達の食後のおしゃぶりとして、若い女性から忌み嫌われる爪楊枝。「シーハーシーハー」という音とともに下品の代表格のように言われる。しかし、爪楊枝は別に日本の専売特許でもなく、世界中どこにでもある。ほとんどが、断面形態が三角形で、食後の歯と歯の間の清掃用具としては、極めて機能的で優れたものである。まっ、たしなみとして人前でやるのも如何と思うし、もちろん、くわえながら街路を闊歩することは紳士的ではない。野菜スティックおしゃぶりのもうひとつの効能としては、砂糖などがほとんど含まれていないからむし歯になり難い。子どもの頃に甘いものを多く摂取して育つと、大きくなってから、生半可な甘さでは満足せずに次々と甘いものを欲しがる、と言う弊害もない。前述の教授の息子、大きくなっても、セロリのうまい、まずいの嗅ぎ分けには才能を発揮したそうだ。そう考えると、セロリをおしゃぶり代わりに与えるのは、実に理にかなったものかもしれない。お子さん、お孫さんに野菜スティックをおやつ代わりにあげたらいかがでしょうか。http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/karadaessay/20070928-OYT8T00164.htm
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