YOKOYAMA DENTAL OFFICE |
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[根管治療=歯内療法(抜髄治療)]
歯髄のことを一般的に「神経」と言います。
触ると飛びあがる程に痛いからでしょう。
しかし、歯髄は神経繊維のみではなくて細胞も血管もあるので、れっきとした組織です。
この歯髄は、歯の長期保存のためには大切なものです。
「ミニマル・インターベンション」の各種テクニックを使用して、できるならば
健全な状態に保ちたいものです。
ところが、むし歯が歯髄に達すると、原因細菌感染により壊死したり、腐って(壊疽)
しまいます。
歯髄炎の段階を通り越して、歯髄が壊死してしまった(神経が死んでしまった)状態が
「感染根管」で、感染根管を治療する手技が「感染根管治療」です。
「感染根管治療」は、歯根の中の壊死物質を除去して、歯根の先の穴にピッタリと
フタをするように防腐剤を詰めこみ、歯を残す治療です。
<治療法>
(1)むし歯になってしまった部分を除去します。
歯髄が残っている時の「ミニマル・インターベンション」とは異なり、
疑わしき所は除去します。
新陳代謝しない組織に細菌が残っていると、免疫機能が働かないからです。
(2)腐ってしまった歯髄組織を、薬剤を使って消毒等をしながら、除去します。
(3)根管(歯根)の先を探します。
これが大変な場合があります。
根の先の孔が細くなっていたり、根の先で根が曲がっている場合も多く、
奥歯の場合は簡単に見つからない事が大多数です。
根管の数は、前歯で1本、小臼歯で1〜2本、大臼歯で3〜4本ですので、
大臼歯は前歯の8倍以上の手間がかかります。
奥歯の場合、手が入りにくく、根管の数が多く、根管が湾曲しています。
歯の中の5mm四方の中に3〜4本の根管の入口があり、その全ての根管に
器具を差し込まなければなりません。
さらに器具を、湾曲している根管の中を進め、根の先を探す必要があります。
その湾曲している根管の中で器具を回転させるので、器具が折れる心配もあります。
(3)根管の長さを測定します。
現在では、「電気根管長測定器」を主に使用します。
この電気根管長測定器は、日本が世界に誇る技術です。
その中でも最も精度の電気根管長測定器「アピット」は、母校の日本大学歯学部が
開発した数少ない研究成果です。
根管の先端、すなわち神経繊維や血管の出入り口は、必ずしも歯根の先端に
あるとは限りません。
昔はX線を参照に根管長を測定していましたので、実際の根管長よりオーバーに
測定しまい、器具が歯根の外側に出てしまうことがほとんどでした。
今でも、厚労省はこの前時代的な治療法を推奨しています。
電気根管長測定器の歴史は古く、私の学生時代=バブル直前期にはありました。
しかし、旧世代の電気根管長測定器は測定誤差が大きく実用的では
ありませんでした。
電気根管長測定器は電気抵抗の変化で根管の長さを測定しますが、
基準値が平均値だったために測定誤差が大きくなってしまいました。
新世代の電気根管長測定器は、基準値を各患者さんごとに設定することによって
測定誤差が小さくなりました。
「アピット」はさらに各根管ごとに基準値をリセットするため、非常に精度の高い
測定値が得られるようになりました。
私の学生時代に「アピット」の臨床試験(治験)が行われておりました。
(5) 根の先が見つかったら、根管(歯髄を除去した空洞)を「リーマー」や
「ファイル」を使って拡大します。
電動の器具も使用しますが、術者の「手指の感覚」が重要ですので、
殆どの作業は手作業でやらねばなりません。
最初は細い器具から、順次太い物に交換する通常の方法の他に、太い器具から
細い器具に戻る手技もあります。
近年、ニッケルチタン製(Ni-Ti)の超弾性リーマーやファイルが登場しました。
超弾性のため、細い根管や湾曲した根管でも、奥まで届かせることができ、
折れにくい器具です。
ニッケルチタン製(Ni-Ti)の代表的な物は、矯正装置のワイヤーです。
超弾性のため、叢生(凸凹)の著しい症例でも矯正用ワイヤーが装着できる
ようになりました。
旧来のステンレスワイヤーでは、叢生(凸凹)の著しい歯だけを個別に
移動させるステップが必要だったため、その分治療期間が長くかかりました。
(6)さらに消毒薬を入れます。
(7)炎症が落ち着くまで消毒薬を交換します。
(8)根管の中に「根充材」で緊密に充填します。(根管充填)
(9)残存歯質の補強のために土台を建てます。
(10)冠を被せて歯牙破折・歯根破折を予防し、歯(歯根)を保存します。
<関連治療>
根管充填(根充)
ファイバーポストコア(土台治療)