上腕に埋め込まれた避妊具が肺に移動(ポルトガル)

[上腕に埋め込まれた避妊具が肺に移動
                深く埋め込みすぎたか(ポルトガル)]

(TechinsightJapan  2019年8月1日)

症例報告専用オンライン・データベース『BMJ Case Reports』に7月、
ポルトガルで31歳女性の上腕に埋め込まれた避妊具が、肺に移動していたと
いう症例が報告された。

非常に珍しいことだが、2017年5月にも同様のケースが報告されており、
37歳女性が肺から避妊具の摘出手術を受けている。

『Business Insider Singapore』などが伝えた。

ポルトガル在住の31歳の女性が使用していたのは、「インプラノンNXT」と
呼ばれる皮下埋没式の避妊具だ。
長さ4センチ、直径2ミリのスティックを上腕に埋め込むことで、
3~5年間は避妊効果が期待できると言われている。
日本では認可されていないが、スティックにはホルモンの一種
“プロゲステロン”が含まれており、それが徐々に放出されることで
排卵が抑制されるという。

この女性は2010年から8年にわたりこの避妊具を使用しており、2013年と
2017年に新しいものに交換していた。

しかし不正出血が3か月も止まらず心配になって産婦人科医の診察を受けた
ところ、上腕に埋め込まれたはずの避妊具が見当たらなかったそうだ。
女性には超音波検査や胸部レントゲン、CT検査が行われ、医師らは
左肺下葉に避妊具が移動していることを確認した。

その後、開胸手術と胸腔鏡下手術を併用して行う“胸腔鏡補助下手術”により
避妊具は無事摘出され、女性は手術の4日後に退院している。
担当医師によると、合併症もなく手術後の経過も順調ということだ。

なお2017年5月に起こった37歳の女性の症例報告では、「避妊具を奥深くに
埋め込んだこと」が原因であるとし、「インプラントについての知識や技術を
持った訓練された医師だけが処置を行うべき」と結論付けていた。

今回の症例でも、避妊具が適切に埋め込まれていなかった可能性が高いことが
指摘されており、避妊具を使用中に不正出血があった場合は放置せず医師に
相談することを推奨している。

ちなみにここ数年は、より安全で確実な男性用の避妊薬の開発が進んでいると
いう。
薬局で錠剤やスプレー、貼り薬型などの男性避妊薬が買えるようになれば、
多くの女性に歓迎されるのは間違いないだろう。

(TechinsightJapan編集部 A.C.)

http://japan.techinsight.jp/2019/08/ac07310912.html

No tags for this post.
カテゴリー: ホルモン,  女性ホルモン,   女性科(婦人科) パーマリンク