歯ぎしりの関連疾患

[歯ぎしりの関連疾患]

<歯周病>
歯周病・歯周疾患は歯周病原因菌による感染症です。
しかし、「歯ぎしり」が強力な修飾因子であることは間違いありません。

細菌が主原因か、歯ぎしりが主原因かは意見が分かれるところで、
「9対1」説から「1対9」説までります。

「1対9」説の場合、歯ぎしりをコントロールし、歯ぎしりをしにくい噛み合わせを
構築すれば、歯周病はほぼ制圧できるという考え方です。

<顎関節症>
「歯ぎしり」はほとんどの人がやっていると言って過言ではありません。
歯ぎしりの力は、口腔周囲の弱い所を攻撃します。
顎関節が弱い人は顎関節症を発症し、歯周組織が弱い人は歯周病を
発症します。
顎関節も歯周組織も比較的丈夫な人は、「咬耗」や「骨隆起」を
引き起こします。

<咬耗>
歯の摩耗のことです。

大昔、木の実などを主食としていた時代には、歯は食事の度に
磨り減って行きました。
磨り減った歯は、歯ぎしりによる「力」を上手く逃がしていました。
(そもそも咀嚼回数が多かったために、現代人のように歯ぎしりを
 しなかった可能性もあります)

現代人は、食事で歯が磨り減ることはありません。
歯ぎしりの際に最初にぶつかるある特定の歯から咬耗が始まる
のです。

<睡眠・呼吸障害>
クレンチングする人の70%が睡眠・呼吸障害であるという説もあります。
グラインディングやタッピングする人の何割かも睡眠・呼吸障害です。

<骨隆起>
骨隆起(骨の膨らみ)は、典型的な歯ぎしりの症状です。
骨隆起の好発部位は、
  ・下顎小臼歯部舌側(内側)
  ・上顎大臼歯部頬側(外側)
  ・上顎大臼歯部口蓋側(内側)
  ・上顎中央部

<知覚過敏症>
歯ぎしりによってエナメル質(歯の表層)がはじけ飛んで、
刺激がエナメル小柱>象牙細管>歯髄(歯の神経)に届きやすく
なった状態です。
硬めの歯ブラシで磨いても、普通の研磨剤入りの歯磨剤を使用しても、
知覚過敏症にはなりません。
エナメル質はその程度では削れません。

(例外)ヤニ落とし用などの強力な研磨剤入り歯磨剤を使用した場合。
    歯周病で歯肉が下がっていて、歯根(象牙質やセメント質)が
    露出してしまっている場合。
    象牙質やセメント質は、硬めの歯ブラシ&研磨剤入りの歯磨剤
    &高いブラッシング圧で、削れることがあります。

<原因不明の歯痛>
奥歯だけが痛み、奥になればなる程痛いのが特徴です。

<起床時頭痛>
噛みしめる筋肉の緊張による頭痛の場合
睡眠呼吸障害による頭痛の場合

(横山歯科医院)

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