[骨と皮膚の病(NHK出版)まとめ]
・チンパンジーの毛の下の皮膚は白い。
体毛が紫外線を防ぐので、皮膚が白くても問題ない。
・ホモ・サピエンスはアフリカの森林からサバンナへ移動して誕生した。
炎天下のサバンナを歩くには、発汗が必須である。
体毛が邪魔になる。
強烈な紫外線から身を守るために褐色の肌を獲得した。
・アフリカを出て生息域を世界へと広げ始める。
高緯度では紫外線が弱いため褐色の肌ではビタミンDを充分に作れない。
この事態に、ヒトは北へ向かうにつれ肌の色を薄くし、紫外線との
バランスを取った。
こうして生まれた肌の色の多様性が私たちヒトの多様性を生んだ。
・18世紀、産業革命時代のロンドンでは「くる病」が多発した。
スモッグで覆われていたからである。
・イヌイット(エスキモー)は褐色の肌の民族であるが、ビタミンD不足とは
無関係だった。
アザラシやクジラにビタミンDが多く含まれているからである。
しかし、大型スーパーができたため、イヌイットの多くは狩猟生活を止めて
西洋食へ移行した。
今後、ビタミンD不足が深刻化することだろう。
・オーストラリアに移住した白人の間で皮膚がんが急増している。
3人に2人が皮膚がんを患うというデータもある。
同緯度であれば、北半球と比較して南半球は15%ほど紫外線が強い。
オーストラリアの先住民は「アボリジニ」で、褐色の肌の民族である。
・オーストラリア政府は日焼け対策を呼びかけている。
すると、アボリジニの中にも日焼け止めを塗る人が現れてしまった。
・イギリスで移民が増えている。
褐色の肌の移民の子は胎児の時からビタミンD不足のため、
ひきつけや痙攣
歯の萌出が非常に遅い
等の症状が出ている。
・フィンランドの研究で、ビタミンD不足で
1型糖尿病が増加
高血圧が増加
・昔、結核患者が日光浴をすると軽快した。
ビタミンDによりマクロファージが活性化され、免疫機能がアップするから
ではないかと考えられている。
免疫機能向上から、
結腸がん
前立腺がん
乳がん
卵巣がん
食道がん
白血病
のリスクが低くなることが確認されている。
・インフルエンザが冬に流行するのは、日光不足からビタミンD不足になり、
免疫機能が落ちるからと考えられる。
(横山歯科医院)
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