[人類祖先の直立歩行、きっかけは恒星の爆発? 落雷増加で森消滅か]
(CNN.co.jp 2019年5月30日)
現生人類の祖先が樹上生活から直立歩行に移行したのは、恒星の爆発が
きっかけとなった可能性がある――。
そんな研究結果がこのほど発表された。
これによると、爆発により大量の宇宙エネルギーが地球の大気に注いだ結果、
落雷が増加した可能性がある。
落雷で相次ぐ山火事が発生し、木に覆われていた森は開けた草原に変わったと
みられている。
超新星爆発がピークを迎えたのは260万年前だが、早くも800万年前には
宇宙エネルギーが地球に降り注いでいた。
こうした宇宙エネルギーの放出により、大量の電子が流入した下層大気は
帯電した。
研究者によると、これが引き金となって雲から地上への落雷が増加し、
世界中で森林火災が起きた可能性があるという。
今回の研究結果は27日の「ジャーナル・オブ・ジオロジー」に発表された。
論文の執筆に当たったカンザス大学名誉教授のアドリアン・メロット氏は
「この出来事の前から既に、ホミニンによる2足歩行の傾向は一部で存在して
いたと考えられている」としつつも、「草原での生活に移行してからは、
木から木へと草地を歩いて移動しなければならない場面が増え、直立歩行が
上達した」と指摘する。
こうした超新星爆発の証拠は海底の鉄鉱床の形で残されており、鉄鉱床の
分析により爆発の年代や起源の特定が可能になる。
山火事の広がりの証拠としても、超新星爆発と同時期の土壌から炭素堆積物が
見つかっている。