「米の成分」で歯周病予防効果

[歯周病「米の成分」で予防効果 新潟大学院生らが発見 新薬開発へ期待]

(ハザードラボ  2018年11月28日)

今や日本人の8割近くが歯周病の問題を抱えているといわれるなか、新潟大学
大学院生らのグループは米の成分に、歯ぐきの骨の減少を抑制する効果がある
ことをマウスの実験で発見した。
日本人の食文化に馴染みがある米が、歯周病予防の治療薬開発に結びつくと
して注目されている研究だ。

日本の中高年の多くが発症している歯周病は、国民病のひとつ。
歯肉の炎症から始まって徐々に深刻化。
歯と歯肉の境目の歯周ポケットが深くなると、歯がぐらつくようになり、
最終的に歯と歯ぐきを支える歯槽骨が吸収されてしまうと、歯そのものを
失うことになる。
自分の歯で食品を噛めなくなることは、体全体の健康にも影響を及ぼし
かねないが、現在の医学では吸収された歯槽骨の回復は極めて困難だ。

新潟大学大学院生の田村光歯科医と寺尾豊教授らのグループは、米から抽出
した15種類のペプチド(アミノ酸加工物)を歯周病のマウスに投与した結果、
9番目と11番目のペプチドは、骨の炎症を抑え、骨を吸収する破骨細胞の数を
減らす働きをすることを突き止めた。

グループは「日常的に食べる米であれば安全な治療薬が開発できるうえ、
現在使われている抗生物質の乱用を抑えることにも結びつく」として、今後は
新潟に拠点がある米の関連企業と連携して、新薬開発につなげたいと期待して
いる。

なおこの研究成果は、国際学術誌『アーカイブス・オブ・オーラル・
バイオロジー』に掲載された。

https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/7/27414.html

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