ED診療のガイドラインが改訂に

[ED診療のガイドラインが改訂に]

(家庭の医学  2018年9月19日)


<EDのリスクファクターとは>
勃起不全(ED)は、満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、
または維持できない状態が持続または再発することをいいます。
日本全国に1000万人以上いると推定されており、男性ならば誰でも起こり
うる病気です。

このEDの診断の基準となる「ED診療ガイドライン」が、6年ぶりに改定
されました。

2018年2月、日本性機能学会と日本泌尿器科学会は「ED診療ガイドライン」
の改訂版をHP上で公開しました。
改定版となる第3版では、リスクファクターの見直し、診断のための評価
スケール、薬物療法の新たな情報などが加えられています。

EDを引き起こすリスクファクターとして、改訂版では、加齢、糖尿病、
肥満・運動不足、心血管疾患・高血圧、喫煙、テストステロン低下、慢性
腎臓病・下部尿路症状、神経疾患、手術・外傷、うつなど精神的因子、薬物、
睡眠時無呼吸症候群の12項目があげられています。

なお、脂質異常は除外されました。

また、EDを引き起こす可能性のある薬剤として、降圧剤、抗うつ薬、前立腺
肥大症治療薬(α遮断薬と5α還元酵素阻害薬)、髄腔内バクロフェン療法、
非ステロイド抗炎症薬の5つの項目に整理されています。

ホルモン剤、抗潰瘍薬、脂質異常症治療薬、呼吸器官・アレルギー用剤は、
削除されました。

診断に関しては、改訂版ではアルゴリズムという形式をとり、患者の訴えから
臨床検査までの医師の診断への指針が示されています。
問診票では、国際勃起機能スコア(IIEF)、IIEFの短縮版(SHIM/IIEF-5)
に加えて、直近4週間の勃起状況の評価スケール(IIEF-6)や、勃起の硬さを
調べるスケール(EHS)が追加されました。

治療については、薬物療法が整理されており、CQ(Clinical Question)で、
さまざまなケースを紹介しています。

また、インターネットで手軽にED治療薬を購入する人もいるようですが、
その中に偽造薬が多く含まれており、その危険性についても触れています。

「ED診療ガイドライン」は、HP上で公開されているので、誰でも閲覧する
ことができます。
その診断や治療法がはっきりと示されることで、受診に対するハードルが低く
なるのではないでしょうか。

EDの出現が、将来の心筋梗塞などの心血管イベントの前兆になる可能性も
指摘されています。
もし、気になる症状があれば、早めに泌尿器科をはじめとする医療機関を
受診して、適切な治療を受けましょう。
EDは決して1人で悩むような症状ではありません。


(監修:ますえクリニック 増栄孝子)


https://sp.kateinoigaku.ne.jp/kiji/125482/

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