介助犬がADHDの児童の症状を軽減するという研究結果

[介助犬がADHDの児童の症状を軽減するという研究結果]

 (わんちゃんホンポ  2018年8月29日)


<ADHDの児童をサポートする介助犬の研究>
私たち人間の介助をしてくれる介助犬。
日本ではまだ、盲導犬や聴導犬など、身体的なハンディキャップをサポート
してくれる介助犬が一般的ですが、アメリカではメンタルヘルスに対する
介助犬もたくさん活躍しています。

そして現在、カリフォルニア大学アーバイン医科大学では、ADHDの児童の
治療をサポートするための介助犬の研究が進められています。
どのような研究なのかをご紹介したいと思います。



<ADHDの従来の療法と、介助犬が入った療法の比較>
ADHD(注意欠陥多動性障害)の治療には薬物療法と、心理教育や認知行動
療法などを含む「心理的社会的な介入」と呼ばれるものがあります。

今回の研究では、この「心理的社会的な介入」に介助犬をプラスした方法と、
従来通りの心理的社会的介入の方法を受けた結果を比較しています。

研究に参加したのはADHDと診断された7歳から9歳の子供88名です。
この子供たちは、薬物療法を受けたことはありません。

犬とそのハンドラーは、認定介助犬の団体から来ており、医療現場や学校での
経験もある人と犬たちです。

この中から無作為に選ばれたグループが従来の「心理的社会的介入」の療法を
12週間に渡って受けます。
また、別のグループは同じ療法に介助犬を導入して行う療法を、同じく12週間
受けました。
どちらのグループも同じテストを受けて、その結果を比較しました。



<介助犬が療法に加わったことの効果>
テストの結果の比較は、12週間後にはどちらのグループもADHDの症状が軽減
していました。

けれども、介助犬を導入したグループの方は、8週目にして注意力や社会的
スキルが改善されていました。

衝動性や過度な活動性については、有意な差は見られませんでした。

犬の存在が治療の効果を早く出すことは、大きく注目されています。

さらには、介助犬が導入された療法を受けた子供たちの親が、「療法を受けて
時間が経過した後も、問題行動が少なくなったままである」ということを報告
しています。
介助犬は常に治療の対象になる人のそばにいる必要はないということです。

認知行動療法など、「心理的社会的介入」の療法を受ける際に介助犬が介入
することで、治療の効果は早く現れ、さらに長く持続するというのは、
ADHDの児童と家族にとって大きな希望です。



<まとめ>
カリフォルニア大学アーバイン医科大学の研究者が行っている、ADHDの
ための介助犬の研究をご紹介しました。

介助犬が参加した療法を受けた子供たちは、「不注意の減少」「社会的
スキルの向上」「行動障害の減少」を報告しています。
この結果は薬物療法に代わるもの、または薬物療法と併用することで、さらに
高い効果を期待できるものとして注目を集めています。

今後ADHDの介助犬の研究はさらに進められていく予定で、さらに多くの
子供たちがその恩恵を受けられるようになるといいですね。


それにしても、犬が私たち人間を助けサポートしてくれる力の大きさには
改めて感嘆せずにはいられません。
犬って本当にすごい生き物ですね。



http://news.livedoor.com/article/detail/15228870/

 

 

 

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