食用コオロギが腸内環境を改善

[食用コオロギが腸内環境を改善]

(あなたの健康百科  2018年08月24日)


環境にやさしい新たな食材として、食用昆虫が注目されている。

米国の研究グループは、食用コオロギを摂取することで、腸内細菌叢の
バランスが改善され、全身の炎症を軽減する可能性が示されたとSci Rep
(2018; 8: 10762)に発表した。

世界で20億人以上が常食しているとされる昆虫はタンパク質、ビタミン、
ミネラル、脂肪の良質な供給源となっている。

また、コオロギなどの昆虫には、腸内のプロバイオティクスの増殖を促進
すると考えられている不溶性食物繊維が含まれる。

欧米で、食用昆虫は新たな食材として広まりつつあるが、その健康への影響は
まだ十分には評価されていない。


そこで研究者らは2017年2~5月、健康成人男女20例(18~48歳)を
10例ずつ2群に分け、6週間の二重盲検クロスオーバー食事介入試験を実施。

1期は(1)被験食:コオロギパウダー25g含有朝食または(2)対照食:
コウロギパウダー非含有朝食、ウオッシュアウト期間(休薬期間)は通常食、
2期は(1)と(2)を入れ替え、それぞれ2週間摂取した。

試験前と1期、2期終了時に血液と便試料を採取し、炎症指標や腸内細菌叢の
バランスの変化を検討した。



<ビフィズス菌が増加、TNF-αは減少>
その結果、コオロギパウダー含有の被験食摂取後では対照食摂取後に比べて、
整腸作用などで知られBB-12として市販もされているBifidobacterium
animalisが、有意に増加した。

また、10例を対象に炎症性サイトカインの血中濃度を測定したところ、
被験食摂取後では、腫瘍壊死因子(TNF)-α値が対照食摂取後に比べて
有意に低かった。

以上の結果から、食用コウロギが腸内細菌叢のバランスを改善し、全身の
炎症を軽減する可能性があることが分かった。

研究者は「今回の知見については、より大規模な研究で追試を行い、
コオロギが腸の健康に寄与する成分やメカニズムを解明する必要がある」と
述べている。


https://kenko100.jp/articles/180824004646/#gsc.tab=0


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