夜泣き外来 虐待防止にも期待

[赤ちゃん専用「夜泣き外来」 親の精神的負担緩和にも期待]

(神戸新聞NEXT  2018年7月30日)


赤ちゃんは夜中にしばしば目を覚ましてよく泣き、不機嫌になる。
このような睡眠障害が疑われる乳幼児を対象とした「夜泣き外来」が7月、
兵庫県立リハビリテーション中央病院に開設された。

発達障害の予防や早期発見にもつながるほか、眠れない親の精神的負担を
和らげて虐待防止にも効果が期待される。
全国的にも珍しい診療部門という。
(佐藤健介)


乳幼児の睡眠障害は運動や言葉の発達を遅らせ、注意欠如多動性障害
(ADHD)やコミュニケーション障害、自閉症に似た症状を示すことが
報告されている。

医療が関わるべき問題だとして、同病院子どもの睡眠と発達医療センター長の
菊池清医師(66)を中心に専門外来を立ち上げた。

対象は、
 ・夜中眠れずに何度も起きて泣く
 ・ぐずってなかなか寝付かない
 ・日中機嫌が悪い
といった症状に悩む4歳未満児とその母親。

睡眠リズムを記す問診票や、抑うつ傾向を調べる自己評価票に記入して診療に
臨む。


新生児期は昼夜の区別なく眠り、授乳とおむつ換えで2~3時間ごとに目を
覚ます。

また、7歳児以下の良質な睡眠時間の目安は夜間連続で10時間とされる。
こうした通常の生体リズムを身に付けるための指導を行う。

具体的には、
 ・日中に外遊びをさせる
 ・昼寝は午後3時まで
 ・1歳までカフェイン禁止
 ・スマートフォンを子守に使わない
 ・寝る2時間前までに夕食と入浴を済ませる
などだ。

外来を担当する豊浦麻記子医師(45)は「夜泣きに対し、行動科学的な
アプローチや薬物治療はあまりなされていなかった」と指摘。
自ら寝付く力を育むため、抱っこしたり夜間に授乳したりしないように習慣の
変化を促すほか、必要なら睡眠に関わるホルモン「メラトニン」も投与する。

それでも効果が見られないケースや、情緒不安定な母親が子どもを虐げる
恐れがある時などは入院治療する。

菊池医師は「睡眠は自己評価低下や自信喪失、不登校など、発達における
『2次障害』の予防につながる。両親の睡眠障害を回避することにもなり、
家庭内の精神衛生を改善し、児童虐待防止も期待できる」と意義を語る。

予約制。



https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180730-00000003-kobenext-sctch




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