学校給食が思春期の肥満を減らす

[学校給食が思春期の肥満を減らす]

(あなたの健康百科  2018年06月18日)


思春期の肥満は多くの国で増加し続けているが、日本では少ないことが
知られている。

東京大学大学院医学研究科公衆衛生学のグループは、学校給食が中学生
男子の肥満を減らすとJournal of Public Health1(2018年6月5日
オンライン版)に発表した。

学校給食の実施率が上昇すると、肥満の割合が低下することを明らかにした
研究は、これが初めてだという。



<学校給食の実施率が10%増加すると過体重・肥満の割合が低下>
思春期の肥満は成人になってからの肥満や生活習慣病、さらには死亡率にも
影響するといわれている。

肥満率がもともと低い日本では、以前から給食が肥満の防止に役立っているの
ではないかと言われてきたが、これまで明らかにはされていなかった。

そこで研究グループは、文部科学省が行っている学校給食実施状況等調査・
学校保険統計調査の公表データを用いて、2006〜2015年の全国の中学校に
おける給食実施率と過体重(基準体重から20%以上)、肥満(同30%以上)
の生徒の割合との関連を調べた。

県レベルの給食実施率が10%増加すると、翌年の過体重の男子の割合は
0.37%(95%信頼区間 0.18〜0.56)、肥満の男子の割合は0.23%(同
0.10〜0.37)低下していた。

一方、女子については過体重や肥満を減らす傾向は見られたものの、
統計学的に有意な結果ではなかった。
思春期の女子は体型を気にして食べる量がもともと少なく、給食による
摂取カロリーの影響が小さい可能性があると考察している。

研究グループは「給食が実際に思春期の過体重・肥満を減らすことを実証
したのはこれが初めて。学校給食による適切な食事の提供は、グローバルな
視点でも思春期の肥満を減らす有効な施策の1つと考えられる」と述べて
いる。



http://kenko100.jp/articles/180618004600/#gsc.tab=0




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