うつ病と似ている! 副腎疲労症候群とは

[うつ病と似ている! 副腎疲労症候群とは]

(家庭の医学  2018年6月1日)


<内科や内分泌科の受診を>
朝は起きるのがつらくて会社や学校に行くのもやっとなのに、夜になると
元気。
怠けていると誤解されそうですが、もしかしたら副腎疲労症候群かも
しれません。
副腎から分泌されるホルモンが、ストレスによって低下したり、乱れたりする
ことで起こります。


副腎とは、左右の腎臓の上にある、キノコの傘のような三角形のかたちの
臓器です。
重さは約5gと小さいものの、体液のバランスや血中のブドウ糖を
コントロールするホルモンをつくり出しており、とても重要な働きをして
います。


副腎では50種類以上のさまざまなホルモンがつくり出され分泌されますが、
そのひとつが「コルチゾール」です。
コルチゾールは通称ストレス・ホルモンと呼ばれることもあり、ストレスが
かかると分泌が活発になり、抵抗力や回復力を高めてストレスに対抗します。

一般的な成人のコルチゾールの1日の分泌量は約20mgに対し、大きな
ストレスや慢性的なストレスがかかると、1日200~300mgも分泌量が
増加するといわれています。

しかし、長期間大量のコルチゾールを分泌し続けると、副腎は疲弊して、
機能が低下します。
その結果、コルチゾールをつくり出せない状態になると、ストレスに対抗
できなくなり、さまざまな症状があらわれます。

具体的には、倦怠感(だるさ)、やる気が起きない、眠れない、朝起きられ
ない、落ち込みやすい、イライラするなど。

また、性欲減退やアレルギー症状の悪化、甘いものや塩辛いものが食べたく
なるなど、多岐にわたります。

うつ病と重なる症状も少なくありませんが、その違いはホルモンが関与して
いるかどうかの違いです。

診断としては血中コルチゾールを測定しますが、正常の日内変動があるかを
調べるには早朝空腹時と夜11時に採血をします。
通常、体の活動性に合わせて、その分泌は、朝高く夜は低下します。

また、唾液検査も有効とされています。
1日の間に時間をずらして4回に分けて摂取した唾液内のコルチゾール
分泌量と、分泌リズムから判断します。

治療に特効薬はなく、ストレスの軽減や生活習慣の改善が主になります。

とくに食生活では、糖質のコントロールが重要です。
血糖値のコントロールを担っており、砂糖や炭水化物などの糖質を摂り
過ぎると分泌が高まるインスリンは、コルチゾールの分泌を低下させる
原因になります。


副腎疲労症候群の人は、ほかのホルモンもアンバランスになっている傾向が
多くみられます。

上記の症状があるときは自分で判断せず、内科や内分泌科を早めに受診して
検査を受けるとよいでしょう。



(監修:虎の門病院 内分泌代謝科医長 宮川めぐみ)



https://sp.kateinoigaku.ne.jp/kiji/125238/




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