女性における男性ホルモンの働き

[女性における男性ホルモンの働き]

(家庭の医学  2018年5月22日)


<ホルモンバランスを整えよう>
男性ホルモンには、ひげや体毛を生やしたり、筋肉や骨格の発達など、男性を
男性らしくする働きがあります。

実は女性にも分泌されていることをご存じですか。
女性の体の中で、どのような働きをしているのでしょうか。


男性ホルモンには、いくつか種類がありますが、代表的なものは、テスト
ステロンと呼ばれるものです。

テストステロンの主な働きは、筋肉や骨の発達、生殖器の発育、ひげや体毛を
はやすなど、男性を男性らしくするものです。
また、意欲を高めたり、競争心を持ったりするなど、精神面にも影響を与えて
います。

男性ホルモンの分泌量は、思春期に大幅に増えます。
一般的に加齢とともに減少はしていきますが、女性の閉経のように、ある
年齢をもって大幅に減少することはありません。


女性にもテストステロンは、副腎や卵巣から分泌されています。
その量は男性の5~10%。
女性ホルモンとは異なり、月経周期とは関係なく分泌されています。
男性と同様に、筋肉や骨格の発達、行動力の促進、性欲の亢進などの働きを
担っています。


女性ホルモンのバランスが崩れると、男性ホルモンの作用が優位に働くことが
あります。
この場合、あごにヒゲが生える、肌が脂っぽくなる、月経が止まるなど、
身体面に変化がみられます。
また、性格面でも変化が出ることも。
攻撃的や負けず嫌いになったり、性欲が強くなるという傾向も見られます。

更年期から閉経にかけての時期は、女性ホルモンが大きく減少するので、
ホルモンバランスが崩れます。

また、仕事や育児などのストレスによって、若い女性でもホルモンの
バランスが崩れている人が多くみられます。


また、病的に男性ホルモンが過剰となることがあります。
排卵障害のひとつ「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」になると、多毛、
にきび、肥満、月経不順が起こります。

診断には、超音波検査で、卵巣に排卵していない卵胞がたまっていないか
どうか(多嚢胞性)確認します。
また、血液検査も行われます。
下垂体ホルモンのひとつLH(黄体形成ホルモン)が高値でFSH(卵胞刺激
ホルモン)が正常範囲であること、男性ホルモンが高値であることで診断
されます。


月経不順や無月経の場合、ホルモンのバランスが崩れている状態と考えられ
ます。
放置せずに、速やかに婦人科を受診することをおすすめします。



(監修:虎の門病院 内分泌代謝科医長 宮川めぐみ)



https://sp.kateinoigaku.ne.jp/kiji/125202/




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