マラソンで水を飲みすぎた女性、低ナトリウム血症で昏睡状態に

[海外発!Breaking News
  マラソンで水を飲みすぎた女性、低ナトリウム血症で昏睡状態に(英)]

(TechinsightJapan  2018年5月15日)


炎天下に晒されていると当然喉が渇くが、過剰な水分摂取をすると逆に命の
危険を招くこともある。

先月の英ロンドン・マラソンに参加した女性がペットボトルの水を飲みすぎて
しまったことが原因で、低ナトリウム血症になり昏睡状態に陥ってしまったと
いう。
『Metro』『The Sun』などが伝えている。


ハンプシャー州ワドウィックに住む4児の母ジョアンナ・パケナムさん
(53歳)は、4月22日のロンドン・マラソンに参加した。
ジョアンナさんは普段から走ることが大好きで、これまでに4つのマラソン
大会に参加した経験があるが、今回の大会は15年ぶりだった。

イギリスの4月にしては気温が高かったこの日、ロンドンは23.2度という
記録的な暑さとなった。
ジョアンナさんは父から言われていた「脱水症状にならないよう気を付ける
ように」という言葉を反芻し、コースの途中で20か所ほどのウォーター
スタンドに立ち寄り小さなペットボトルの水を飲み水分補給をしていた。

合計12本以上のボトルの水を飲んだジョアンナさんは、走っている途中から
意識が朦朧とし始めたという。

気付かぬうちに体の許容量を超えた水分を摂取していたジョアンナさんは、
血中のナトリウム濃度が低下する電解質代謝異常を起こす「低ナトリウム
血症」になってしまった。

コース残り400メートルの所で、ジョアンナさんの体はふらつき、6時間
35分で完走したもののマラソン後は吐き気を催すほど気分が悪くなった
そうだ。
応援に来てくれていた家族とピザを食べに行く予定を取りやめ、娘のエマ
さんとパートナーのリチャードさんと一緒に帰宅した。

しかしその後、ジョアンナさんは自宅で低ナトリウム血症の症状の1つと
されるけいれん発作を起こして倒れた。
家族が111(救急車要請が現段階で必要としない場合を含む医療アドバイスを
求めるNHS:英国民保健サービスの24時間コールセンター)へ電話したが、
ジョアンナさんの呼吸が停止したことに気付き急きょ999へ連絡した。
幸いにも、救急車到着までリチャードさんが懸命にCPR(心肺蘇生法)を
施したことでジョアンナさんは息を吹き返した。

ウィンチェスター病院へ搬送されたジョアンさんは昏睡状態に陥った後、
目覚めたのは25日のことだった。

現在は回復し自宅へ戻っているジョアンナさんは、マラソンのあった当日から
1週間ほどは記憶が曖昧で何が起こったかあまり覚えていないと話している。

しかし後に心臓の専門医の診察を受け、今回の症状が永久的に体に影響を
及ぼしていないか検査をしてもらったところ、何の問題もなかったそうだ。

ジョアンナさんは次のように語った。
「低ナトリウム血症になったのは、1回限りだったようです。医師からは
また走ってもいいと言われました。でも世間への注意喚起として、スポーツ
ドリンクなどで電解質もきちんと摂取することが大切だと伝えたいのです。
そうすれば私のような目に遭うことはないでしょうから。」

このニュースを知った人からは、「走っている時には、水分不足になるよりも
過剰摂取の方が逆に命に危険をもたらすということを知らない人が多いと
思う」「でもマラソン参加者には、水分を補給しすぎると低ナトリウム血症に
なるリスクがあることは、主催者からのパンフレットにも書かれているわ。
この女性がそれをきちんと読まなかっただけでしょう。助かってよかった
けど、ちゃんと読んでいたらこのような事態にはなっていないはずよ」
「50代でマラソン参加する行為は称賛に値するけど、やっぱり気を付け
なきゃ」「そんなに水は飲めない。ビールなら飲めるけど」「塩を持参する
しかないな」といった声があがっている。


(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)


http://japan.techinsight.jp/2018/05/ellis04580512.html


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