左右の視力に差がある場合は注意

[左右の視力差が0.5以上ある人は疲れやすい]

(NEWSポストセブン  2018年5月13日)


頭痛や腰痛など、「身体の片側だけに痛みや異変が現われた」という経験の
ある方は多いだろう。
そうした症状を見過ごすと、取り返しのつかないことになるかもしれない。
体調不良の“左右差”は重大な病気のサインであることが少なくないからだ。


健康診断や人間ドックで必ず測る血圧。
「左右どちらでもいいですよ」と言われるが、実はどちらで測っても同じ
血圧値というわけではない。
きくち総合診療クリニックの菊池大和院長が解説する。
「一般的に、血圧は左上腕よりも右上腕のほうが少しだけ高いことが多い。
これは心臓から大量の血液を送り出す大動脈が、右半身に向かって出ている
ためです」

ここで注意したいのは「左右どちらも正常値」だからといって安心できない
ことだ。

その差が左右の収縮期血圧(上の血圧)で10以上ある場合について、菊池
院長はこう指摘する。
「動脈硬化で血管が狭くなっている、あるいは閉塞していると考えられ、
その原因として糖尿病、高脂血症などが疑われます。1か月程度、継続的に
両腕で血圧を測り、10以上の差が続く場合は総合診療医を受診することを
勧めます。また、左右差に加え、胸痛や背部痛など他の症状を伴う場合は、
緊急処置の必要な大動脈解離が疑われます」(菊池院長)



<視力差が0.5以上 骨折、認知症のリスク>
他にも、左右で数値が異なる例として、「視力」がある。
二本松眼科病院の平松類医師は、視力差を軽く見てはいけないと警鐘を
鳴らす。

「なぜ左右で視力に差が出るのかは医学的にわかっていません。ただ、左右で
視力差が0.5以上ある人は疲れやすく、気分が悪くなったり、頭痛がしたり
して日常生活にも影響が出ることが多い」

特に“利き目”の視力が落ちた場合は注意が必要だ。

腕や足と同様、人間の身体には左右どちらかに優位が生じるが、利き目は
一般的に右目の人が多いとされる。
無意識のうちに同じ目を酷使して、左右に視力差が生じることで遠近感が
掴めなくなり、雑踏で人にぶつかったり、階段や坂道で転んだりする可能性が
高まるという。

「高齢者の場合、転んで骨折などをすれば、そのまま寝たきりになるケースが
少なくない。寝たきりになれば、認知症にもなりやすくなる。だから、
高齢者で視力差がある人は眼科を受診して、視力にあった眼鏡やコンタクトを
使うようにしてください」(前出・平松医師)


人間の体に左右差があるのは誰もが知っていることだが、その差がときに
重篤な疾患の“サイン”であることも忘れてはならない。



<利き目の確認法>
腕を伸ばして指で輪を作る。
その輪の中に、遠くにある対象物(時計など)が収まるようにする。
片目ずつ閉じて、対象物が輪の中に入っているほうが利き目となる



(週刊ポスト2018年5月18日号)



http://news.livedoor.com/article/detail/14707064/





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