ポリオワクチン5回目の接種に全額助成 千葉県いすみ市

[ポリオワクチン5回目の接種に全額助成 
                  千葉県いすみ市が今年4月から開始]

(あなたの健康百科  2018年04月19日)


重症化すると、手足に麻痺を引き起こすことのあるポリオ。
千葉県いすみ市は、今年4月1日から、ポリオワクチンの4回の定期接種に
加えて、5回目の追加接種の費用を全額負担するという、全国でも珍しい
取り組みを開始した。
ワクチンの予防効果を高めるのが狙いだ。

費用助成を行うのは、国内では青森県藤崎町に次いで2番目となる。


ポリオは、ウイルスが口から入り、咽頭や小腸の粘膜に感染し、増殖する
ことで発症する。
ウイルスが脊髄に進入し、運動神経を破壊することで、手足に麻痺を生じる
こともある。
感染すると効果的な治療法はなく、ワクチン接種のみが唯一の予防法だ。


ワクチンは、定期接種(公費により無料)と任意接種(自費)とに区分されて
おり、ポリオワクチンの場合、乳幼児期に4回定期接種を行う。
しかし、時間の経過とともに、ワクチンの効果が低下し、感染リスクが高まる
懸念があるという。

近年の研究で、4回目の接種から時間をおいて、追加で5回目の接種を
行えば、ポリオ感染を予防する力が強まることが分かってきている。
現在、国内では、5回目の接種は任意接種として実施されているが、その
認知は十分とはいえないのが現状だ。


そこで、いすみ市は今年4月から、定期接種が完了した5歳児に対し、
1人1回9800円のワクチンの接種費用を全額助成し、ポリオワクチンの
接種を推進することにした。

その背景には、日本国内でポリオの発症は報告されていないが、一部の国では
今でもポリオが流行しており、そうした地域から日本に入国する人が年々増加
している事実がある。
入国する人のなかには、症状はなくても、ポリオに感染していて、ウイルスを
拡散している人がいる可能性もあり、ウイルスに対する免疫が維持されて
いないと、国内で感染者が出て、流行する危険があるという。


http://kenko100.jp/articles/180419004551/#gsc.tab=0


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[備考]

・1960年代前半より前はワクチン無しの時代
     ・1960年にも大流行
     ・1961年に生ワクチン(OPV)を緊急輸入
           ワクチン接種が浸透するまで数年

・2012年夏までは経口生ワクチン(OPV)

・2012年秋以降は不活化ワクチン(IPV)


(横山歯科医院・横山哲郎)

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