老いた白血球細胞、若いマウス移植で若返り

[老いた細胞、若いマウス移植後「若返り」 東大など研究]

(朝日新聞  2018年4月15日)


加齢によって白血球の一種になる能力を失った血液のもとになる細胞を、
若いマウスに移植すると、その能力を取り戻したとする研究成果を、東京大と
米スタンフォード大の共同研究チームが発表した。

チームは、仕組みを解明できれば、血液細胞を若返らせ、免疫機能の回復に
つながる可能性があるとしている。

今月、米科学誌セル・ステムセルに掲載された。


血液中の赤血球や白血球などは骨髄にある造血幹細胞から作られる。

加齢により、白血球の一部で免疫をつかさどるリンパ球をつくる能力は落ちる
ことが知られてきた。


東京大学幹細胞治療部門の中内啓光特任教授らの研究チームは、生後20~24
カ月の高齢マウスの骨髄から造血幹細胞を採り、血液をつくれなくした別の
若いマウスに移植した。

高齢マウスの造血幹細胞を移植したマウスは、リンパ球をほぼつくれ
なかった。

しかし、そのマウスの造血幹細胞を含む骨髄を別の若いマウスに移植し、
観察を続けたところ、造血幹細胞がリンパ球になる能力を持ったことを確認
した。

1回目でなく2回目の移植で能力を持った理由は解明されておらず、今後の
課題という。

研究チームの一員、スタンフォード大の山本玲研究員は「リンパ球になる
能力が回復したことは細胞の『若返り』を示唆している。加齢メカニズムの
解明につながる」としている。



(戸田政考)



https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180415-00000023-asahi-soci





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