[飲酒+喫煙 両方の習慣あるとがんリスク高く 口腔・咽頭がん4.1倍]
(産経新聞 2018年03月20日)
男性の口腔がん、咽頭がんのリスクは飲酒、喫煙の習慣があるとそれぞれ上昇
するが、両方の習慣がある場合は4.1倍に跳ね上がることが、国立がん研究
センターなどによる大規模な疫学研究で明らかになった。
口腔がんは口の内側や舌、歯ぐき、唾液腺などに、咽頭がんは喉にできる
がん。
研究グループは平成2年と平成5年、10都府県でがんになったことがない
40~69歳の男女にアンケートを依頼。
計約9万6000人の回答を得て平成22年まで追跡調査した。
その結果、いずれかのがんになった人はこのうち222人だった。
対象者を飲酒が1日にビール中瓶1本程度(アルコール換算で週150グラム)
より多いか少ないかと、喫煙習慣の有無とで分け、これらのがんのリスクを
分析すると、男性では「飲酒少・非喫煙者」を1としたとき「飲酒少・
喫煙者」で1.8倍、「飲酒多・非喫煙者」では2.1倍、喫煙者で飲酒も多いと
4.1倍になった。
同じく男性を喫煙習慣で分けると、喫煙者のリスクは吸わない人の2.4倍。
週に1回以上酒を飲む習慣の有無で分けると、そうした習慣がある男性は
飲まない人の1.8倍だった。
がんの部位別では、喉の一番奥で食道につながる部位にできる「下咽頭がん」
で大きな差があり、男性では喫煙者が非喫煙者の約13倍の高リスク。
1日の箱数(20本入り換算)に喫煙年数をかけた指数が60以上になると、
下咽頭がんのリスクは約21倍になった。
女性では統計的に男性ほどはっきりした結果は得られなかったが、飲酒、喫煙
どちらの習慣でも口腔・咽頭がんのリスクは高まるとしている。
http://www.sankei.com/life/news/180320/lif1803200021-n1.html