松坂大輔「去年の10月、ある施設で先生が肩をはめてくれたんです」

[松坂大輔「去年の10月、ある施設で先生が肩をはめてくれたんです」]

(webスポルティーバ  2018年3月13日)

*前段略


── 去年、ずっと右肩の痛みに苛(さいな)まれて、投げられない状態が
続いていたのに、いつから痛みが消えて、投げられるようになったんで
しょう。

松坂:去年は、誰かからいいと聞けば、日本中、あちこちの病院や施設に
行きました。日本には本当にいろんな治療法があるんだなということを
イヤというほど思い知りましたからね(苦笑)。でも、なかなか肩が痛い
原因を突き止めることができませんでした。それが去年の10月、ある人の
紹介で運動力学を研究している施設へ行って肩を診てもらったとき、
「こうすればよくなるんじゃないか」と言って先生が肩をはめて
くれたんです。そのとき、感覚的には本当に久しぶりに、自分でも
肩がはまった気がしました。で、もしかしたらと思ってボールを投げて
みたら、投げられるようになっていたんです。


── 長い間、肩がはまる感じを求めていたんですか。

松坂:肩が正しく動くための肩の関節の位置がなかなか決まらなかったん
です。投げられない間も、投げられるように肩回りの筋力を鍛えては
いたんですけど、しっかり肩を回すためのその位置に、いつまでたっても
はまってくれなかった。肩が関節にきちっとはまらないと、正しい場所に
ないわけですから、どれだけ筋力をつけても肩を回すとブレが出て、
いろんなところに当たって、それで痛みが出てくるわけです。


── じゃあ、その10月の治療を境に投げられるようになったと……。

松坂:そうですね。ただ、その治療がきっかけではありましたけど、ずっと
リハビリして鍛えていた身体を、やっと使えるようにしてもらったという
感じのほうが近いかな。そこからです。その治療から2週間後にはブルペンに
入って、投げられるようになりました。


── 痛みの原因は右肩の肉離れと聞きましたが、珍しいですよね。

松坂:僕も初めてです。でも、なぜ肉離れを起こしたのかはよくわからないん
ですよ。こういう衝撃を受けたらそうなるという説明は受けたんですけど、
そんな覚えはないし……だから、痛くないところを探しながらイレギュラーな
状態のまま、ずっと投げ続けたことによって、僕の場合はその部位に負担が
かかって肉離れを起こした、と理解しています。それが、最後の最後でうまく
はまってくれて、痛みが消えたということなのかもしれません。


── ホークスのとき、工藤(公康)監督が、「ある日突然、痛くなくなる
こともあるんだから、あきらめずに頑張れ」と、自らの経験を踏まえて
励ましてくれたと松坂投手が以前、おっしゃっていました。そういうことが
現実に起こったという感覚ですか。

松坂:確かに工藤監督はそうおっしゃっていましたけど、もちろん何も
しないで痛みが消えるのをただ待っていたわけじゃないと思うんです。
なんとか投げられるようにするためにいろんなことをしてきたんでしょうし、
その積み重ねの結果、何かがうまく噛み合って痛みが消えたんじゃないかと、
自分の痛みが治まったとき、そう思いました。治療法には合う、合わないが
あるとは思っていましたけど、これだけいろんなところへ行っているのに、
こんなに合わないものかって、ホント、思いました。それでもあきらめずに
リハビリを続けてきたからこそ、自分にも何かが噛み合う瞬間がきて
くれたのかなと思っています。



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