歯科受診で介護予防 「かかりつけ歯科医の意見書システム」

[歯科受診で介護予防 上伊那口腔保健Cシンポ]

(長野日報   2018年3月11日)


上伊那口腔保健センターと上伊那歯科医師会は10日、シンポジウム「口腔
機能の向上による介護予防~地域包括ケアシステム構築に向けた、歯科からの
提言」を宮田村民会館で開いた。
歯科医師やケアマネジャー、行政関係者ら約100人が参加。
基調講演とパネル討論で、介護予防の手法の一つとして取り組む「かかりつけ
歯科医の意見書システム」に理解を深めた。


かかりつけ歯科医の意見書システムは、歯科受診で得られた情報を、居宅
サービス利用者の日常生活に関わる人と共有して、有効な支援につなげるのが
狙い。
2017年11月から2018年2月まで辰野町でモデル事業が行われた。


シンポジウムでは、松本歯科大学病院摂食嚥下機能リハビリテーション
センター長の蓜島弘之さんが基調講演。
口の健康が全身の健康につながるとした上で、口腔内の汚れと誤嚥性肺炎の
関係を説明。
「かかりつけ歯科医がいることで口の中をケアすることができ、高齢者の
全身の状態の改善につながる」とし、「地域住民の健康のため、かかりつけ
歯科医の意見書システムをよりよく発展させてほしい」と期待した。

パネル討論は、歯科医師で上伊那口腔保健センター副所長の村上順彦さんが
辰野町でのモデル事業の概要を報告し、同町内のケアマネジャー3人が事例を
発表。
村上さんは、高齢になると歯科の受診率が下がるデータを示して「高齢者は
口の中の困りごとが潜在化しやすい。多職種の連携で受診機会をつくり、
歯科受診の情報を介護現場と共有し、利用者の日々の生活につなげてほしい」
とシステムの狙いを話した。




http://www.nagano-np.co.jp/articles/29202





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