[ビタミンD低いとがんリスク上昇 肝がんで顕著]
(朝日新聞 2018年3月9日)(南宏美)
血液中のビタミンDの濃度が低いとがんになるリスクが高くなることが
わかった。
国立がん研究センターのチームが8日、英医学誌ブリティッシュ・
メディカル・ジャーナルに論文を発表した。
ビタミンDはがん細胞の増殖を抑える働きがあるためとみられる。
チームは岩手や沖縄など8県の40~69歳の約3万3千人を1990年以降平均
約16年間追跡し、うち約8千人の血液中のビタミンDの濃度を調べた。
濃度によって4つのグループに分けて比べた。
濃度が最も低いグループががんになるリスクは、他の3つのグループに比べて
約2割高かった。
特に肝臓がんで顕著で、最も濃度が低いグループは、最も高いグループに
比べてがんになるリスクが約5割高かった。
ビタミンDは骨を作るのに重要とされ、魚介類やキノコに多く含まれるほか、
日光浴によって体内で作られる。
過去の実験によると、ビタミンDはがん細胞の増殖を抑え、がん化する恐れの
ある細胞が死ぬのを促す効果があると考えられている。
国立がん研究センターの山地太樹・分子疫学研究室長は「一定の濃度を
超えるとがんのリスク低下は頭打ちになるとみられる。サプリメントの摂取や
人工的な日焼けといった極端なことはせず、適度な食事と日光浴を心がけて
ほしい」と話している。
https://www.asahi.com/articles/ASL385K4RL38UBQU019.html