引っ込み思案の少女がパラ旗手に アルペンの村岡桃佳

[引っ込み思案の少女がパラ旗手に アルペンの村岡桃佳]

(朝日新聞  2018年3月9日)


開会式で、旗手として日本選手団の先頭に立ったのはアルペンスキーの
村岡桃佳(21)=早大。
かつて障害を理由に引っ込み思案になっていた少女はいま、スポーツを通じて
社会を少し変えられたらと思っている。


あの日のことはよく覚えている。
4歳の夏、家の近くのスーパーに出かけた時だった。
急に足が重たい感じに襲われた。
帰る時には両足が動かない。
兄の背におぶわれて帰った。

横断性脊髄炎による下半身まひ。
原因は不明だった。
この日以来、車いすでの日々が始まった。

もともと、外で遊ぶのが好きだった。
でも車いすだと、鬼ごっこをしても友だちは誰も追いかけてこない。
「気を使われるんですよね。子ども心に、すごい複雑でした」
部屋にこもるようになった。

人前に出るのが怖い――。
そんな気持ちを変えてくれたのが、スポーツだった。
陸上から始め、中学でスキーに本格転向。
本気で争える環境は楽しかった。

自然と明るさが戻った。
学校はずっと健常者と一緒。
最初は近寄りがたく思われても、一緒に過ごせばみんな障害を普通に
受け入れてくれた。

最近、うれしかったことがある。
「職場で車いすの人がいて、自然と助けてあげられたんだ」と友だちに
聞かされた。
高い所にある物を取ってくれたり、段差に気づいてくれたり。
ちょっとした気遣いができる人は、意外と少ない。
「私がいることで、それが社会に広がってくれたら」と思う。

「とりえもない私が、少しでも意味のある発信ができる。それがすごく
うれしいんです」
旗手もそんな思いで引き受けた。
特に同年代の若者に、大会を通じて何かを感じてほしいと思っている。



(高野遼)




https://www.asahi.com/articles/ASL394R5NL39UTIL01Q.html





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