[インフルは感染した細胞から遺伝子奪い増殖
東大などが発表 新薬開発に期待]
(産経新聞 2018年3月5日)
インフルエンザウイルスは、遺伝子の一部が足りないと、感染した細胞から
足りない遺伝子を奪って増えることが分かったと、東京大や京都大のチームが
英科学誌に発表した。
チームの河岡義裕・東大教授は「ウイルスの増え方が詳しく分かれば、新しい
抗インフルエンザ薬の開発にも役立てられる」としている。
インフルエンザウイルスの遺伝子は8本のリボ核酸(RNA)で構成され、
増えるときにはRNAを決まった位置に並べた上で子孫のウイルスを作る。
チームはRNAが1本足りないウイルスを人工的に作り出し、イヌの腎臓細胞に
感染させて、どのように増えるのかを電子顕微鏡で観察した。
その結果、ウイルスが増えるときには1本足りないはずのRNAが補われ、
8本になることが判明。
詳しく調べると、増えたRNAは感染した細胞からきたものであることが
分かった。
ヒトの季節性インフルエンザや鳥インフルエンザなど多くの種類に共通する
性質とみられ、このようにできたウイルスには感染性がなく、外部には
広がらないという。
チームはこの性質を利用すれば、新薬への応用が期待できるとしている。
http://www.sankei.com/life/news/180305/lif1803050005-n1.html