がんのリスクは重度の歯周炎で上昇した

[がんのリスクは重度の歯周炎で上昇した]

(ロイターヘルス  2018年01月30日)(アステラス製薬)


重度の歯周病の人は、がんのリスクがより高い可能性があると、米国の研究が
示唆している。

「この報告は、歯周病は単に歯に起こっている問題ではないという観念を
継続して支持している」と、米国がん協会の医務副部長であるLeonard
Lichtenfeld先生は述べた。


研究者らは、ミシシッピ、メリーランド、ミネソタ及びノースカロライナに
おいてがんを患っていない7,466人の歯科検査を実施した。
15年後、歯科検査で重度の歯周病があった人は、歯周病がなかったか軽度で
あった人と比較して、何らかの種類のがんを発症しているリスクが24%高く、
肺がんリスクが2倍を超えた。

大腸がんを発症する可能性は、特に重度の歯周病を有する非喫煙者で高かった
ことを、研究者らは認めた。

実際の歯科検査に基づくこれらの所見は、自己報告による歯周病を用いた
過去の研究に一致していると、研究の筆頭著者でありTuft’s School of
Medicineの公衆衛生及び地域医療の教授であるDominique Michaud氏は
Reuters Healthに伝えた。


研究者らは、年齢、性別、体重状態、喫煙状況、人種及び社会経済的地位を
含むがんリスク因子で調整した。

この研究では、高齢、男性、黒人、高くない教育水準、肥満又は喫煙者である
ことは、歯周炎の重症度が進行している場合に、より多くみられた。

全体的に、研究者らは歯周病と乳がん、前立腺癌又は血液・リンパ関連の
がんとの関連は認めなかった。

歯周病とがんとの関連は、肺がんと大腸がんを除き、黒人の参加者では概して
弱いか明らかではなかったと、著者らは1月12日付のオンライン版Journal
of the National Cancer Instituteで報告した。

「我々が人種別に認めた差に対する答えを、我々は持っていない」と、
Michaud氏はeメールで述べた。

研究には関わらなかったLichtenfeld先生は、これは、米国の黒人が米国の
白人に比べ直面している可能性がある付加的な障壁に起因しているかも
しれないと述べた。

「米国の黒人には、診療、教育及び社会経済的地位へのアクセスなどの問題が
ある。それらの要因の一部は(この研究で)調整されたが、調整されなかった
ものもあり、このことが、米国の黒人は、米国の白人の場合と同様に、
歯周病が際立った特徴ではないかもしれないと言い得る差となった可能性が
ある。」

この研究は、歯周病が実際にがんの原因となっていることを証明できない。

さらに、歯科検査はがんの診断より前に行われたことを考慮すると、歯周病の
何らかの誤測定が相関の過小評価又は過大評価をもたらしている可能性が
ある。

参加者における喫煙量と喫煙期間で調整したにも関わらず、著者らは、特に
肺がんで喫煙による交絡を除外できなかったと述べた。

Reuters Healthへのeメールで、米国歯科医師会は、同様に所見に影響を
及ぼした可能性があるいくつかの要因を強調した。
「収入と健康保険のどちらも、人が適時の及び質の高い歯科又は健康の診療に
アクセスできるか否かに非常に影響を及ぼす指標であり、米国では、収入と
健康保険のパターンはどちらも人種に関連している。」




https://amn.astellas.jp/jp/specialty/urology/reuters/index.html?utm_source=anp_20180403&utm_medium=mail&p_LginKY=WMJpdWywI1hR4cH%2fYJ2z0LxM8SRuyk21





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