[エリスロポエチン]
(Wikipedia)
エリスロポエチン(EPO)とは、赤血球の産生を促進する造血因子の1つ
(ホルモンともサイトカインとも)。
血液中のエリスロポエチン濃度は、貧血、赤血球増加症などの鑑別診断に
用いられる。
腎性貧血の治療に主に使用される。
ドーピングにも使用され問題となっている。
<概要>
主に腎臓の尿細管間質細胞で生成され、補助的に肝臓でも作られる。
多くが腎臓で産生されていることから、慢性腎不全等の腎機能低下状態に
なると、エリスロポエチンの不足により腎性貧血に陥る。
エリスロポエチンは骨髄中の赤芽球系前駆細胞に作用し、赤血球への分化と
増殖を促進することが知られている。
<ドーピング>
エリスロポエチン(EPO)は赤血球の増加効果を持つことから、筋肉への
酸素供給量を高め持久力を向上させる目的で、長距離系スポーツ(自転車
ロードレース、クロスカントリースキーなど)のドーピングに使用されて
いる。
2009年には複数の自転車競技選手からEPOが検出された。
また2013年1月には、ツール・ド・フランスで7回優勝したランス・
アームストロングがオプラ・ウィンフリーとのインタビューで、かつてEPOを
使ったドーピングを行なっていたことを認めた。
元来体内に存在する自然物質でその使用の判別が難しいため、ヘマトクリット
(血液中に占める血球の容積率)、ヘモグロビン、網状赤血球数などを用いて
ドーピングのスクリーニングを行っている場合が多い。
スクリーニング検査による疑い例は、尿を検体として電気泳動法によって
遺伝子組換えEPOを検出している。